小林麻央さん亡くなる
6月23日 11時46分 NHKニュース
歌舞伎俳優、市川海老蔵さんの妻で、乳がんの治療を続けていることを公表していたフリーアナウンサーの小林麻央さんが亡くなりま
した。34歳でした。
小林麻央さんは東京出身で、大学生のころから芸能活動を始め、民放のバラエティー番組にレギュラー出演したり天気情報のキャス
ターを務めたりするなど、タレントとして活躍しました。
大学卒業後はフリーアナウンサーとしてニュース番組の司会などを務め、平成22年に歌舞伎俳優の市川海老蔵さんと結婚しました。
その後は芸能活動を控えて2人の子どもの子育てに専念していましたが、去年6月、夫の海老蔵さんが会見し、麻央さんが乳がんと診
断されて2年近く治療を受けていることを明らかにしました。去年9月にはブログを開設して、闘病生活や家族とのやり取り、それに
日々の心境などを詳しくつづり、大きな反響を呼びました。
11月にはイギリスの公共放送BBCが、このブログががん患者だけでなく多くの人を勇気づけたとして、麻央さんを世界の人々に影響
を与えた「ことしの女性100人」に選んでいます。
ブログによりますと、麻央さんは手術や放射線治療を受けたあと、ことし1月には退院の報告をしていましたが、4月に再び入院したこと
を明らかにしていました。その後、先月29日に退院し、在宅医療を続ける様子をつづっていました。
海老蔵さんは、23日正午からみずからが主催する公演に臨んだあと、午後2時半から記者会見を行う予定です。
海老蔵さん 去年の会見で回復願う
市川海老蔵さんは去年6月、妻の小林麻央さんのがんを公表した際に、「誰よりもいちばん本人がつらいと思います。元気になりたいと
いう気持ちと小さい子どものそばにいられない母親の気持ち、私には計り知れないつらさ、苦しさと闘っていると思います」と麻央さんの
心中を思いやっていました。そして「病気を患っている場合は、どんな方でもポジティブな部分とネガティブな部分があると思いますが、
私としては元気がないときに、楽しい、くだらない話とか、『必ず元気になるよ』と話をすることしかできませんが、とにかく元気になって
もらうことが、われわれ家族としましてはいちばんに願うことなので、いつか『あの時間は大変だったけど、家族にとってはとってもいい
経験になった時間だったね』という会話ができるように、それを夢見ています」と回復への願いを語っていました。
患者増える 乳がん
乳がんは女性のがんの中で最も患者数が多く、食生活の変化などの影響から患者は増え続けています。国立がん研究センターの推
計によりますと、平成24年は7万4000人が新たに乳がんと診断されていて、女性のがん全体のおよそ20%を占めています。患者は
若い人にも多く、30代から増え始めて40代後半から50代前半がピークとなり、仕事や出産など女性の生活に深刻な影響を及ぼしま
す。
早い段階で見つけて適切な治療を受ければ治療成績はよく、去年、国立がん研究センターが発表した5年相対生存率は、がんが乳房
にとどまっている場合は98.9%だった一方、別の臓器などに遠隔転移している場合は33.7%となっていました。症状が進行すると
骨に転移することが多いがんのため、手術や放射線治療、それに薬物療法といった基本となる治療のほか、骨折を防ぐために骨の修
復を促す薬が使われることもあります。