北朝鮮向けか オランダでウオッカ9万本押収
【2月27日 AFP】オランダ・ロッテルダム(Rotterdam)港の関税職員が国連(UN)の制裁下にある
北朝鮮向けとみられるロシア産のウオッカ約9万本を押収した。当局が26日、明らかにした。
くしくも27日からはドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と北朝鮮の金正恩
(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長がベトナムの首都ハノイで米朝首脳会談を
行うことになっている。
オランダの日刊紙アルヘメン・ダフブラット(AD)によると、ウオッカは金氏と軍高官向けだったと
考えられている。オランダ関税当局はこの報道をツイッター(Twitter)にリツイートしたものの、
AFPの取材では金氏向けであったかを正式に認めなかった。
一方、オランダ外務省はこのウオッカの押収を認めている。「北朝鮮が最終目的地だったことは
90%確信している」とした。
同船のコンテナに関する情報が入ったことなどを受けて検査した結果、ウォッカが見つかったといい、
行き先は中国とされていたが、最終目的地は恐らく北朝鮮だと判断した。
国連安全保障理事会の北朝鮮制裁では、ぜいたく品も禁輸対象となっていることから、オランダ貿易相が
押収を指示した。
中国は北朝鮮にとって最大の貿易相手国で、歴史的に緊密な関係にある。一部の専門家は対北朝鮮制裁違反を
指摘しているものの、中国は制裁順守を強調していた。
オランダ関税当局の報道官は「驚くべき話だ。スリラー小説の出来事のようだ」と語った。
ウオッカの瓶は22日、ドイツのハンブルク(Hamburg)港で積載されたコンテナ内の箱3000個の中から
発見された。このコンテナを積載していたのは中国の海運大手・中国遠洋海運集団(Cosco)の所有する
貨物船「ネビュラ(Nebula)」号。
コンテナは航空機の胴体の下に隠されていたため捜索が難しく、報道官は「簡単ではなかった」と話した。
機体の胴体の引き上げにはクレーンの使用を強いられた。
オランダ・ロッテルダム港で押収された、コンテナに入った9万本のウオッカ(2019年2月26日撮影)
オランダ・ロッテルダム港で押収された、ウオッカ9万本の入った箱の中を調べる税関職員(2019年2月26日撮影)