北朝鮮、グアム攻撃の威嚇姿勢を軟化
2017 年 8 月 15 日 10:50 JST THE WALL STREET JOURNAL
【ソウル】北朝鮮の国営メディアは15日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が米領グアムへのミサイル攻撃を
見合わせると決めたと報じた。
ただ、「米国が極めて危険で無謀な行為を続けるならば」、金氏は考えを変える可能性があるとくぎを刺した。
先週は、北朝鮮とドナルド・トランプ米大統領との間で脅迫の応酬が見られたことで米朝間の緊張が高まっていたが、
今回の報道を受け緊張は和らぐ可能性がある。
トランプ氏は先週、米軍は「臨戦態勢にある」とし、北朝鮮は「炎と怒り」に直面するだろうと警告した。
一方、北朝鮮は国営メディアを通じ、中距離弾道ミサイル「火星12」4基でグアム周辺を「包囲射撃」すると威嚇していた。
北朝鮮の国営メディアによると、金氏は軍の指揮所を訪れ、高官が提示した軍事計画を検討した結果、グアムへの攻撃を
取りやめることを決めた。だが米国に対し、現在の膠着(こうちゃく)状態が自国の利益になるかどうか「十分考慮するよう」忠告。
米国には「北朝鮮に対する傲慢(ごうまん)な挑発と一方的な要求を直ちにやめ、これ以上北朝鮮を挑発しない」義務があると述べた。
また、「米国が朝鮮半島およびその周辺で、極めて危険で無謀な行為を続け、北朝鮮の自制心を試すならば、(北朝鮮は)
言明した通りに重要な決断を下すだろう」と語った。
さらに、ミサイル攻撃計画は「いつでも実行に移せる状態にある」とし、実行した場合「米国の気管を締め上げ、その存亡を脅かす
最も素晴らしい歴史的瞬間になるだろう」と述べた。