タイで大規模反政府デモ 警察と衝突
2021年8月11日 15:12 AFP 発信地:バンコク/タイ [ タイ アジア・オセアニア ]
【8月11日 AFP】タイの首都バンコクで10日、民主改革と政府の新型コロナウイルス対策を批判する反政府
デモが行われ、参加者数百人に対し、機動隊が放水砲やゴム弾、催涙ガス弾を発射した。
タイでは新型コロナウイルスの1日当たりの感染者数が約2万人となっており、過去最大の感染拡大を
食い止めるために公の場での集会が禁止されているが、デモ参加者らはこれを無視し集まった。
デモでは数百人が、バイクや車でバンコク市街を走り、夕方までに複数の衝突が発生した。
警察の交通整理ブース2か所が放火された。デモ隊の一部は、放水砲やゴム弾、催涙ガスを使用した
機動隊に向かい、爆竹や花火を投げ付けた。
アヌティン・チャーンウィーラクン(Anutin Charnvirakul)保健相とつながりがあるゼネコン大手
シノタイ・エンジニアリング・アンド・コンストラクション(STEC)のロゴを豚の血で汚す参加者もいた。
また、政府支持で知られる免税大手キングパワー(King Power)のロゴも標的となった。
デモに参加したある学生は「独裁を敷くプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)政権は、
支配層に利益を要求、配分、分配し続けており、市民が病気になり死んでいこうが無関心だ」と訴えた。
首都圏警察のピヤ・タウィチャイ(Piya Tawichai)副長官は記者団に対し、デモ参加者が暴力や石、
爆竹などさまざまな武器を使用したため対応したと説明した。
ピヤ氏は、手製の銃で1人が太ももを撃たれるなど、警察官6人が負傷したと述べた。
警察は、デモ参加者6人を拘束し、バイク100台近くを押収した。
エラワン救急医療センター(Erawan Emergency Medical Centre)は、デモ隊側の負傷者の報告は受けて
いないと述べた。
昨年から続く若者が大半を占める反政府デモは、元陸軍司令官で2014年のクーデターを主導した
プラユット首相の退陣と、長年タブーとされてきた強大な権力と膨大な資産を有するタイ王室の改革を
求めている。
Anti-government protesters clash with Thai police (Aug 10)