ニカラグアで野党弾圧に拍車 米、大統領選の「信ぴょう性すべて失われた」
2021年8月8日 16:15 AFP 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 ニカラグア 中南米 ]
ニカラグアの首都マナグアの革命広場で行われた軍最高司令官の就任式で演説するダニエル・オルテガ大統領(2020年2月21日撮影)
【8月8日 AFP】11月に大統領選が予定されている中米ニカラグアで野党弾圧が強まっている。米国の
アントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は7日、選挙の「信ぴょう性がすべて失われた」
として、強権的なダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)大統領を非難した。
ニカラグアの選挙管理委員会は6日、有力野党連合「自由のための市民たち(CXL)」から11月7日の
大統領選の参加資格を剥奪した。
ブリンケン氏は、「オルテガ氏の敗北への恐怖が引き起こした、政権による非民主的で権威主義な
直近の行為で、自由で公正な選挙が実施されるという期待が完全に消滅したと米国は考える」と述べた。
「最終的にもたらされる結果を含め、この選挙過程の信ぴょう性はすべて失われた」
2007年から政権を握るオルテガ氏は、妻で副大統領のロサリオ・ムリジョ(Rosario Murillo)氏と共に、
4期連続の当選を目指している。
ダニエル・オルテガ大統領(右)と妻のロサリオ・ムリジョ副大統領
この2か月で大統領候補と目される7人を含む野党勢力の少なくとも31人が当局に拘束され、昨年12月に
可決された法を根拠に国家反逆罪や国家主権を脅かした罪に問われている。この法はオルテガ氏に対抗
する反体制派を排除する手段だと非難されている。
「革命の英雄」が独裁者に変貌したニカラグアの惨状