映画『仁川上陸作戦』に対する「クッポン」というレッテル
2016/08/07 06:09 朝鮮日報
先月27日に公開された韓国映画「仁川上陸作戦」が、一部で「クッポン」という評価を受けている。
クッポンは「国家」(韓国語でクッカ)と覚せい剤 「ヒロポン」の合成語で、クッポン映画とは過剰なナショナリズムを広げる狙いで作られ
た映画という意味になる。
過去の記事を見返してみると、「国際市場で 逢いましょう」(原題:「国際市場」)や「延坪海戦」が同じようなことを言われており、
李舜臣(イ・スンシン)将軍率いる朝鮮水軍と日本水軍の戦いを描い た「バトル・オーシャン 海上決戦」(原題:「鳴梁」)、
旧日本軍の慰安婦問題を扱った「鬼郷」も「クッポン・マーケティングに依存した」などと評価された。
中でも、北朝鮮と対立 するストーリーや6・25戦争(朝鮮戦争)を扱った映画は、往々にしてクッポンというレッテルを貼られることが多
い。
この 種の映画に辞書にも載っていない侮蔑的な表現を使うのは、作品の完成度や芸術性とは関係なく、
そこに表れた世界観を問題視しようとする意図が感じられる。
国家を中毒性の強い違法な覚せい剤になぞらえて否定的なニュアンスを最大化する裏には、
「見るな」という非常にはっきりとしたメッセージが込められてい る。
この言葉を使う人々は、映画1本で人の意識がまひするかもしれないと本当に思っているのだろうか。
クッポンという言葉 を聞くたびに「昔の子どもたちは虎患(虎に襲われること)、媽媽(ママ=天然痘)、戦争などが一番怖い災害だった
が、現代の子どもたちは無分別な違法ビデ オを視聴することで非行青少年になる」と言っていたころの単純な論理が思い浮かぶ。
全体主義的な世界観を擁護するつもりは決してないが、作品の出来不出来 に関係なく、ただ北朝鮮との戦争、南北対立が鮮明な特
定の映画だけをクッポンなどと評することもまた、十把(じっぱ)ひとからげの扱い方だ。
国が何をしてくれたわけでもないのに、愛国心ばかりを強調することを不快に感じる人もいるだろう。
いわ ゆる「88万ウォン(約8万円)=20代の非正規労働者の平均月給=世代」の間で、出口のない無限競争に疲れた若者が幸福な
人生を求めて韓国を離れるとい う内容の小説「韓国が嫌いで」が話題になるかと思えば、
あらゆることを「泥スプーンVS金スプーン」という階級論で捉える見方がまんえんし、経済的な理由 から結婚をしない、または延期する
若者がそこここにいる。こうした状況では、国の何が重要なのかと考えるかもしれない。
しかし一方で、公務員の職を切望す るたくさんの若者たちを見ると、国家が今や安定した職場という存在に落ちたかのような気にもな
る。
今のような状態で国に対 して厳粛主義的な態度を強く求めるなど、世情を知らない人かもしれない。
チン・ギョンジュン検事長をはじめ、国の権力をためらいなく蓄財手段に活用するお 偉いさんたちが健在であることが判明し、
いくらプライベートな席とはいえ「99%の民衆はイヌやブタ」と口にする高官がいるのに、
何が愛国だと言われれ ば、返す言葉がない。
一方ではクッポンと言って国をこき下ろし、もう一方では私利私欲のために自分の地位を利用している間に、私たちが守るべき国は
どこへ行ってしまったのか。「仁川上陸作戦」のような映画は、むしろこんな国の「意味を探す」という観点で見るべきではないだろうか。
韓国人の感情に動かすのは、戦争ものと反日ものではないでしょうか。
歴史的な事実や実在の人物について、フィクション盛り盛りで製作すればヒットする可能性がおおきいです。
そのフィクション部分は韓国人が抱く「そうであって欲しい」という欲求に答えているからでしょう。
韓国人特有の「恨」という感情のガス抜きにはなっているだけで、愛国心に訴え、真の愛国心を育てているかは疑問です。
【愛国心(あいこくしん)、愛国主義(あいこくしゅぎ)】
パトリオティズム、英: patriotism)は、国民が自らが育った、あるいは所属する社会共同体や政治共同体などに対して愛着ないし忠誠を抱く思想、心情である。 このような思想心情を他人に比べ強く持つとされる、或いはそのように自負する人達を愛国者と称する。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。
<この記事に出てくる映画>
仁川上陸作戦・・・朝鮮戦争時のソウル奪還の話し。
http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2047738
延坪海戦・・・延坪島(ヨンピョンド)近隣で大韓民国海軍艦艇と北朝鮮警備艇の間に発生した海上戦闘
http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2025723
バトル・オーシャン 海上決戦・・・李舜臣(イ・スンシン)が日本水軍(秀吉軍)と戦ったはなし。
国際市場で 逢いましょう・・・朝鮮戦争、ベトナム戦争を通しての家族愛。国際市場は釜山の事です。
鬼郷・・・日本軍による慰安婦強制連行、性奴隷、虐殺のはなし