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トランプ氏「カナダ首相には裏表ある」 NATO首脳に笑い種にされ。 / マイクがオンだと知らず……歴史に残る政治家のうっかり発言

2019-12-08 09:43:50 | 防衛・安全保障・インテリジェンス

トランプ氏「カナダ首相には裏表ある」 NATO首脳に笑い種にされ

2019年12月5日   BBC
 
ロンドン郊外で開かれたNATO首脳会議に出席したトランプ氏とトルドー氏



ロンドンのバッキンガム宮殿で3日夜に開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の歓迎行事で、

カナダのジャスティン・トルドー首相ら複数の加盟国首脳がドナルド・トランプ米大統領を笑い種に

して歓談する様子をカメラが捉えた。トランプ氏は、トルドー氏は「裏表がある」と反発した。


カナダ放送協会(CBC)がツイッターに投稿した短い映像には、カナダのトルドー首相が、

ボリス・ジョンソン英首相やエマニュエル・マクロン仏大統領、 オランダのマルク・ルッテ首相、

イギリスのアン王女(エリザベス女王の娘)らと、談笑する様子が映っている。トランプ大統領が

急きょ40分もの記者会見を開いたことを話題にしている。

 

ビデオの内容

映像の冒頭、ジョンソン首相がマクロン大統領に対し「だから遅れたんですか?」と尋ねると、

トルドー首相が、「あの人が遅れたのは冒頭で40分間、記者会見をしたからですよ」と口を挟んだ。

するとマクロン大統領は何か面白い話をしたようだが、その内容は周囲の雑音でかき消されていて

聞こえない。

トルドー首相は面白そうに、こう応じた。「ええ、ええ、そう宣言して……(聞こえない)。

あの人のチームがあんぐりと口を開ける様を目撃したわけです」。

この場にいた首脳らは誰も、撮影されていることに気づいていない様子だ。

 

トルドー首相やアン王女、トランプ氏をサカナに歓談? NATO70周年(BBC)

  

 

「裏表がある」

NATO加盟国首脳は4日、創設70年を記念した首脳会議で、集団防衛の義務を再確認するなど結束を

表明したものの、一部で対立が生じることとなった。

トランプ氏は4日の首脳会議後に予定していた記者会見をキャンセルし、「我々はこのまま帰国する。

我々は記者会見をもう十分開いたと思う」と記者団に述べた。


トランプ氏は、「トルドー氏には裏表がある」と反発。「僕は彼をいいやつだと思うが、僕は面と

向かって(国内総生産の)2%分(の防衛費)を支出していないと指摘したんだ。向こうはそれが

気に食わないんだろう」と話した。

「カナダは2%分を支出していない。そうするべきなのに。カナダには金があるんだから。

いいか、僕はアメリカを代表しているんだ。トルドー氏は今よりもっと支出すべきだ。

彼はそのことを理解している。(中略)気に食わないのは分かるが、そういうものだ」と述べた。

 

「完全にでたらめ」

ジョンソン首相は、動画について記者から問われると、「まったくナンセンスだ。どこから出てきたのか

知らない」と答えた。

トルドー首相は後に、記者団に対し、首脳陣はトランプ大統領の記者会見のことを笑っていたのではなく、

米大統領の公式別荘、キャンプ・ディヴィッドで開催される次の主要7カ国首脳会議(G7サミット)に

ついて話していたのだと説明し、「トランプ氏との関係はとても良好だ」と付け加えた。


NATO各国首脳を招いた歓迎行事でトランプ夫妻を出迎えたエリザベス女王(3日、バッキンガム宮殿)

 

首脳宣言の内容

NATO加盟国首脳は首脳宣言で、

「安全を確保するために、我々は共に未来に目を向けなければならない」

としている。さらに、中国やロシアによる「問題」を認めたうえで、テロに対して「より強硬な対応」

をしていくと誓った。


一方でトルコによるシリア北部への軍事進攻をめぐっては、各国の防衛費の支出額のばらつきや、

NATOは「脳死状態」だとマクロン大統領が発言するなど、意見が割れている。


こうした分断はあるものの、主催国イギリスの代表としてジョンソン首相は、NATOを「10億人近くを

守る巨大な結束の盾」と呼び、「我々が団結している限り、誰も我々を打ち負かそうとは思えない」

と述べた。

 

NATOは歴史上最も成功と

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、欧州やカナダによる防衛支出が増大していることを

引き合いに、「NATOは歴史上最も成功した同盟だ。世界が変化するにつれて我々も変化しているので」

と述べた。

ストルテンベルグ事務総長は3日、これらの国が防衛支出に2016年以降1300億ドル(約14兆2300億円)

を追加していることや、2024年までに総額4000億ドルにまで増加すると述べていた。

トランプ氏は、他の同盟国が防衛にいくら拠出しているかについて、頻繁に批判を繰り広げている。


米仏の対立

NATO首脳会議初日の3日、トランプ氏とマクロン氏は記者会見中、トルコや武装組織

「イスラム国(IS)」問題におけるNATOの役割をめぐり言い争いになり、両者間の緊張が表面化した。


トランプ氏とマクロン氏は、関税や貿易、さらには先月マクロン氏がアメリカによるNATOへの関与が

なくなりつつあると発言したことなどをめぐり、すでに対立していた。

かつて、NATOは「時代遅れ」などと発言していたトランプ氏は、マクロン氏がNATOを「脳死状態」

と呼んだのは「非常に無礼」で「不快な」発言だと批判した。マクロン氏は、自分の発言の正当性を

主張し続けた。


(英語記事 Trump calls Trudeau 'two-faced' at Nato summit

 

マイクがオンだと知らず……歴史に残る政治家のうっかり発言

2019/12/5   BBC

「常にマイクが入っていると思え」。これが政治における黄金律だ。

しかし、このルールはしばしば忘れられてしまう。世界中の多くの首脳がそう証言するだ

ろう。

アメリカからオーストラリアまで、世界中の政治家がマイクやカメラが入っていることを

知らずにうっかりと発言し、大恥をかいてきた。

今週には、北太平洋条約機構(NATO)の首脳会議の場で、カナダのジャスティン・

トルドー首相がアメリカのドナルド・トランプ大統領を話題にして他の首脳たちと談笑す

る様子が、カメラに捕らえられてしまった。

 

カメラやマイクの存在を気にかけない発言によって、政治家は恥をかくだけでなく、特に

は失脚する場合もある。

一方でこうした発言は、国際外交の分かりにくい駆け引きに、良くも悪くも光を当てるこ

とにもなる。

マイクが拾ってしまった、いくつかの印象深いうっかり発言を紹介する。

 

1. ロナルド・レーガン米大統領:「5分後に爆撃を開始する」(1984年)

冷戦真っただ中の1984年、ロナルド・レーガン米大統領のジョークがソヴィエト連邦との関係を

悪化させた。

 

毎週行っていたラジオ演説のサウンドチェック中、レーガン大統領はスタッフ相手にこんな冗談を言った。

「アメリカ国民の皆さん、私はきょう、ロシアを永遠に非合法化する法案に署名しました。5分後に

爆撃を開始します」

このジョークは放送されなかったものの、録音されており、後日公開されてしまった。

その結果、ソ連ではレーガン氏に対する抗議が巻き起こり、ソ連軍は一時、極東に警戒態勢を敷く

事態となった。

 

2. ジャック・シラク仏大統領:「料理が下手な国の人は信用できない」(2005年)

 

 

フランスのジャック・シラク大統領は、ロシアを訪問中にこの発言をしたとされている。

仏紙リベラシオンによると、シラク氏はロシアの飛び地カリーニングラード市の750周年記念式典で、

ロシアとドイツの首脳と話していた。

マイクが切れていると思ったシラク氏は、イギリスのことを指して、「あんなに料理が下手な国の

人は信用できない。あの国はフィンランドの次に食事がまずい」と言ったとされる。

「イギリスが欧州の農業にもたらしたものといえば狂牛病だけだ」

公に放送されることはなかったものの、シラク氏の広報チームは一度もこの発言を否定しなかった。

当時イギリスとフランスの関係は、農業の補助金や、フランスのイラク戦争不関与などで冷え切っていた。

 

3. ジョージ・W・ブッシュ米大統領:「おい、ブレア!」(2006年)

サンクトペテルブルクで行われた主要8カ国首脳会議(G8サミット)で、ジョージ・W・ブッシュ

米大統領はトニー・ブレア英首相とざっくばらんな会話をした。

「Yo, Blair!(おい、ブレア!)」として知られるこの会話はまず、ブッシュ氏がブレア氏に

「おい、ブレア! 元気か?」と話しかけ、ジャケットの贈り物に感謝した後、レバノンの武装勢力

ヒズボラについて侮蔑的な発言をした。

シリアがイスラエルとの摩擦の中でヒズボラを支援していることに触れたブッシュ氏は、

「ヒズボラにこれ(ののしりの言葉)を止めさせるために、国連にシリアをどうにかさせるべきだ」

と話した。

「コフィ(・アナン国連事務総長)にアサド(シリア大統領)に電話をかけさせて、ことを動かすべきだ」

ブッシュ氏の「おい、ブレア」という呼びかけは、ブッシュ、ブレア両氏のライバルによって

揶揄された。一方で、ブッシュ氏は実は「Yeah, Blair(そうだ、ブレア)」と言っていたのでは

ないかと指摘するジャーナリストもいる。

いずれにせよ、こっそりとマイクが拾っていたこの会話は、両氏の親密な、しかしたびたび物議を

かもした関係をよく表している。

4. ゴードン・ブラウン英首相:「偏屈な女」(2010年)

 


労働党のゴードン・ブラウン首相はこの日、イングランド北部のロッチデールで市民と対話していた

ところ、ひとりの女性から移民の多さについて怒りをぶつけられた。

やり取りの後、ブラウン氏は車に戻ったものの、放送局スカイニュースのマイクを服に付けたままだった。

マイクが入っていることに気づかないまま、ブラウン氏は側近に「(女性との会話は)ひどかった。

あの女としゃべらせないでほしかった」と語った。

女性に何を言われたのかと聞かれると、「何もかもだ! 前は労働党支持者だったと言う、ただの

偏屈な女だ。まったく馬鹿げている」と答えた。

ブラウン氏は後に、この女性(ジリアン・ダッフィーさん)を訪問して謝罪したほか、

BBCのラジオ番組の取材でも謝罪を繰り返した。

5. ニコラス・サルコジ仏大統領:「もう耐えられない」(2011年)

 

これは、2011年にフランスで行われた主要20カ国・地域首脳会議(G20 サミット)での、

ニコラス・サルコジ仏大統領とバラク・オバマ米大統領の会話だ。

共同記者会見の直前、記者団に同時通訳の機器が手渡されたが、サルコジ、オバマ両氏が出てくる

まではヘッドフォンを付けないよう指示された。

何人かの記者はこれを無視して、待機中の両氏の会話を聞いてしまった。

それによると、サルコジ氏はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相について「もう耐えられない。

彼は嘘つきだ」と話した。

これに対しオバマ氏は、「うんざりしてるでしょうが、私は彼と毎日やりとりをしなければならない」

と答えている。

このやりとりは数日間、伏せられていたが、フランスのニュースサイト「Arret sur Images」の

ダン・イスラエル氏によって公になった。

イスラエルは当時、フランスともアメリカとも関係が悪化していた。

(英語記事 Five 'hot mic' moments that got leaders in trouble

 

  
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