米、TPP復帰を検討…トランプ氏が表明
【ダボス(スイス東部)】トランプ米大統領は25日、米CNBCテレビのインタビューで、離脱した環太平洋経済連携協定(TPP)について、「当初の協定より、ずっと良いものになるなら参加するだろう」と述べ、再交渉を前提として復帰を検討する
考えを表明した。
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の開かれているダボスでインタビューに応じた。
トランプ氏は「これはビッグニュースだ」と前置きし、「TPPはひどかった。もっと良い協定になるなら、私はTPPについても
考えるだろう」と述べた。
ただ、TPPの再検討に言及する一方、トランプ氏は「2国間協定が好きだ。問題があれば破棄できる。(多国間協定では)同じ
選択はない」とも発言。TPPのような多国間協定よりも、2国間協定を重視する考えを示した。
トランプ氏は2017年1月の就任直後、TPPから「永久に離脱する」との大統領令に署名。自らの最大の実績の一つとして
アピールしてきただけに、実際に復帰に向けた行動を起こすかどうかは不透明だ。ダボス会議に参加しているムニューシン財務長官や
ロス商務長官は、TPPに参加しない考えを重ねて強調している。
日本や豪州など11か国は、米国抜きでの新たなTPPの正式合意にあたる署名式を3月に行うことで合意している。トランプ氏の
発言には、こうした動きをけん制する狙いもあるとみられる。
トランプ氏はこれまでに、TPPと同様に離脱を表明した地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」についても、「条件が整えば
協定にとどまることが可能」などと言及しているが、撤回には動いていない。
河野太郎外相「TPPの中身を変えるつもりはない」
復帰示唆のトランプ米大統領「有利な協定なら」発言を一蹴
2018.1.26 11:04 産経新聞
河野太郎外相は26日午前の記者会見で、トランプ米大統領が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関し、米国に有利な条件
付きでの復帰を示唆した件について、「すでにTPPの中身は決まっている。これを変えるつもりはない」と述べ、米国に有利な
条件の付与は行わない考えを示した。
米国のTPP離脱後、日本を含む11カ国は米国の復帰を念頭に置いた新協定で大筋合意しており、3月に南米チリで署名式を開催する。
こうした経緯を念頭に、河野氏は「TPP11をしっかり発効させていきたい」と強調。一方で「ぜひ米国には戻ってきてもらいたい」とも強調した。