日英首脳会談 ＥＵ離脱後の配慮求める

日英首脳会談　ＥＵ離脱後の配慮求める

2017年4月29日 08:45　　　日テレニュース

　イギリスを訪れている安倍首相は、メイ首相と首脳会談を行った。安倍首相はイギリスのＥＵ（＝ヨーロッパ連合）から

の離脱に際し、日系企業に影響が及ばないよう配慮を求めた。

　会談は、ロンドン郊外にあるイギリス首相の別荘で行われ、両首脳は保護主義が台頭する中で自由貿易を重視する

考えで一致した。さらに安倍首相はイギリスのＥＵ離脱が円滑に進むことが、世界経済にとって重要との認識を伝えたう

えで、離脱にあたっては日系企業に対する情報開示など配慮を求めた。

　安倍首相「日本と（ＥＵ）離脱後の英国との経済関係を維持・強化できるよう協力していくことで、メイ首相と一致したこ

とは重要な成果であります」

　また、両首脳は、北朝鮮情勢についても協議し、圧力を加え続けていくことで一致した。メイ首相は会談後、「北朝鮮は

刺激的な行動をとり続けている」「不安定感を高める活動を断固非難する」と強調した。

　安倍首相はイギリスで、ＥＵ離脱に揺れるヨーロッパの結束を訴えた。経済や安全保障での連携を確認できたのは一

定の成果だが、ＥＵ離脱の影響は不透明で、今後も難しい対応が求められそうだ。

安倍晋三首相の発言要旨

2017.4.29 08:02　　産経新聞

　私は英国を自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーとして重視している。英国がＥＵを離脱してもまったく変わりはない。

　英国はＥＵからの離脱に向けて大きな変化の中にある。日本は強い欧州、強い英国を支持する。英国を含む欧州の強い結束が維持されることを望む。日系企業含め円滑な企業活動の維持のため引き続きの配慮をお願いする。

　世界の保護主義の動きが顕著になる中で、日欧が米国とともに自由貿易の旗を高く掲げなければならない。自由貿易の旗手を自認する英国と日本はともに手をたずさえ、リーダーシップを発揮する。私はＥＵ離脱後の英国経済を引き続き信頼している。日本と英国の経済関係を維持・強化できるようメイ首相と一致したことは重要な成果だ。

　日英がリーダーシップを発揮すべきもう１つの分野が安全保障だ。現在、国際社会は北朝鮮の核・ミサイル開発や東シナ海および南シナ海情勢をはじめ、法の支配にもとづく国際秩序に対する深刻な挑戦に直面している。日英は地球規模で緊密に連携していく。

　日英はともに自由で開かれた海洋の安定を繁栄の礎としている。両国共通の関心地域であるインド太平洋が国際公共財として、いずれの国にも自由で開かれていることを確保すべく日英は緊密に連携する。先進国が早晩直面する課題への対応について、Ｇ７の場を含め日英で協力していくことでメイ首相と一致した。