[ロンドン 19日 ロイター] - 英ジョンソン首相は19日、感染力が最大で7割高いとみられる
変異種の新型コロナウイルスが広がっているとして、首都ロンドンを含むイングランド南東部に
事実上のロックダウン(都市封鎖)を再導入することを発表した。
ジョンソン首相は、コロナ対策を政府に提言するクリス・ホウィッティ医師とともに会見し、
変異種にもワクチンは有効と説明。致死率も重症化率ももともとのウイルスより高くないとする一方、
対応を急ぐ必要性を強調した。
イングランドではここ2週間、変異種ウイルスにより感染者数が急増していた。
英政府はクリスマス前後の5日間に最大3世帯が室内に集まることを認めていたが、これを撤回。
3段階に分けていた警戒レベルにさらに厳しい4番目のカテゴリーを新設し、ロンドンとイングランド
南東部をここに引き上げた。
英国は最近まで全土にロックダウンを導入しており、それと同等の警戒レベル。
19日深夜から実施され、イングランドの人口の3分の1に当たる1640万人が対象となる。
不要不急の外出は制限、必需品を売る商店以外は営業が認められない。屋外では会うのは1人に
限定される。
ジョンソン首相はクリスマスに規制を緩める方針だったが、レベル4の地域では集まりが認められなく
なった。対象地域以外のイングランド市民は、当日25日に限り友人や家族に会うことが許される。
世界保健機関(WHO)は19日、変異種について英政府と緊密に連絡を取り合っていると
ツイッターに投稿。「英当局から引き続き分析結果や進行中の研究について情報を受けている。
変異種ウイルスの特性や影響は、分かり次第(WHOの)加盟国や国民に伝える」とした。
WHOがコメント 新種のコロナウイルスに関する英国政府の発表について
然るべき情報が明らかになり次第、その特徴について世界に発信する。この件に関してWHOが
ツイッターで発表した。
In the meantime, we continue to advise people to take all protective measures to prevent the spread of the #COVID19 virus and comply with national authorities' guidance. https://t.co/CTdAEJ8Pqn
— World Health Organization (WHO) (@WHO) December 19, 2020
WHOは、英国政府は情報共有を継続しており、同様に分析結果や現在の研究内容に関しても連携を
とっていると強調した。
この間、英国のマシュー・ハンコック保健大臣は、同国ではコロナウイルス感染症の新しいタイプが
発見され、そのことから一部地域で感染のスピードが急激に高まったことを明らかにした。
同保健相によれば、英国では新しいタイプの感染症例が1000人を超えたと発表している。