EMERALD WEB≪拝啓 福澤諭吉さま≫

政治・経済・生活・商品情報などさまざまな話題で情報を発信してます。

中国で甲殻類に感染する謎のウイルス蔓延、人間への被害も懸念

2020-04-25 11:42:26 | 医療・疾病・疫病・パンデミック・新型コロナウイルス

中国で甲殻類に感染する謎のウイルス蔓延、人間への被害も懸念

2020.04.25 07:00  NEWSポストセブン

 

 いまや世界中に感染が拡大している新型コロナウイルスを筆頭に、ニワトリなど鳥類を

死に追いやる鳥インフルエンザや豚に感染しほとんど死滅させるアフリカ豚コレラも

中国で爆発的に流行し近隣諸国に被害を拡大させている。そんな状況下、さらにもう

一つ謎のウイルスが中国で感染を拡大していることが明らかになった。

 

 それはエビやロブスター、ザリガニ、カニなどの甲殻類などシーフードの高級食材に

大きな被害をもたらす「十脚目虹ウイルス」と呼ばれ、主に中国南部の広東省を中心に

中国から東南アジアの沿海部で流行しているもの。このウイルスにより、養殖された

エビがほぼ全滅。中国では2013年から2018年の5年間でシロエビの生産量が30万トン

減少するなど、養殖業に大きな被害を及ぼしている。

 

 中国漁業年鑑によると、このウイルスは2014年12月、中国農業農村省漁業局傘下の

中国水産科学院の研究員によって、浙江省のシロエビ養殖場で検出された。

 

 研究の結果、エビのほか、ロブスターやカニなどの「十脚目甲殻類」を死滅させる

毒性の強いウイルスで、中国では現在、太平洋沿岸の11省・直轄市で見つかっており、

例外なく、養殖しているエビなどに大きな被害が出ている。

 

 広東省では昨年冬にウイルス感染が分かり、珠江デルタ地域の養殖エビの多くが死滅。

今年も2月ごろからの感染拡大が明らかになっている。

 

 エビがこのウイルスに感染すると、エビが全体的に赤みを帯びた色に変わり始め、

殻が柔らかくなり、水中に沈む。このような症状が出てから2、3日で養殖池全体に感染が

広がり、ほとんどすべてのエビが死ぬので、対処の方法がないという。いったん感染が

確認されると、近隣の養殖池は全滅するほどで、ウイルス伝播のスピードは極めて速い。

 

 広東省の珠江流域で、2万人がエビなどの養殖に従事している大高区では昨年春、

養殖池全体の3分の2がウイルスに感染したことが分かり、直ちに排水しなければならな

かった。このため、ある養殖業者は約3700kg分のエビの大半が死に、最終的に200kg分の

エビしか市場に出せなかったという。

 

 業界関係者や専門家によると、ウイルス発生の原因とその伝染方法は不明だが、

新たな感染は「主に水と地域環境を通じて起こる」と考えられおり、それが人間によって

養殖場に運ばれている可能性も否定できないという。

 

 いまのところ、ウイルスは人間には感染しないことが分かっているが、広東省では

アフリカ豚コレラに感染した豚の養殖場に人間が近づくのを禁止しているのと同じように、

このウイルスが感染した池に部外者が池に近づくことは許されていないという。

なぜなら、鳥インフルエンザウイルスが人間の体内に入って突然変異し、人間を死に

至らしめるケースもあり、このウイルスも同じことを起こさないとは保証できないからだ。

 


人気ブログランキング