ベネズエラで非公式の国民投票、720万人が「反大統領」投じる
2017年07月17日 18:32 AFP
【7月17日 AFP】(更新)南米ベネズエラで16日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が進める憲法改正の動きに反対して
野党連合が組織した非公式の国民投票が実施され、720万人近くが反対票を投じた。
ベネズエラ中央大学(Central University of Venezuela)のセシリア・ガルシア・アロチャ(Cecilia Garcia Arocha)学長は、
開票率95%の時点で、国内で649万2381票、国外で69万3789票の反対票が投じられたと表明。ベネズエラ国民が
「政府および世界に明確なメッセージを送った」と述べた。ガルシア氏によると、最終的な開票結果は17日に公表されるという。
投票の結果を受け、野党が過半数を占める議会のフリオ・ボルヘス(Julio Borges)議長は「きょうベネズエラ国民は威厳ある国、
民主的な国を目指すことに賛成票を投じた。人々が私たちに託した声は明らかだ」と表明し、「われわれはキューバのようになりたくな
い。自由のない国にはなりたくない」と述べた。
今回の投票は7月30日の制憲議会議員選挙に反対を唱える目的で行われ、実施した野党側は「国民投票」と呼ぶ一方で、政府は
「違法」だと非難している。また、首都カラカス(Caracas)では投票に参加した女性が銃で武装した男らに襲撃され、死亡する事件も起
きている。
ベネズエラ西部タチラ州サンクリストバルで、野党が組織した非公式の投票に参加するため投票所に並ぶ人々(2017年7月16日撮影)
マドゥロ大統領は野党側に対し、投票結果に「浮かれるべきではない」とくぎを刺した。また国の選挙管理員会のトップは今回の投票
について、「法的効力はない」との見解を示している。
トランプ大統領、ベネズエラに警告 改憲するなら「経済的措置」
2017年07月18日 09:55 AFP
【7月18日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は17日、南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統
領が憲法を改正するなら同国に「経済的措置」を取ると警告し、同大統領を「独裁者になることを夢見る悪い指導者」とこき下ろした。
トランプ大統領は声明で「ベネズエラという国が崩壊しても米国は手を貸さない」と述べた。「マドゥロ政権が7月30日に新憲法を制定
するための制憲議会議員選挙の実施を強行するなら、米国は直ちに強力な経済的措置を講じる」と明言した。ただし、「経済的措置」
の具体的な内容は明らかにしていない。
ベネズエラでは16日、野党主導で非公式の国民投票が実施され、多数の有権者がマドゥロ大統領の構想に反対票を投じたが、
トランプ氏はこうした動きを称賛し、「国民の断固とした勇気ある行動が独裁者になることを夢見る悪い指導者にないがしろにされ続け
ている」と述べている。