中国特使は太平洋フォーラムで「非常に傲慢」、ナウル共和国大統領が非難。
[ウェリントン/シドニー 5日 ロイター] - 太平洋諸島フォーラム(PIF)を主催するナウルのワガ(Baron Waqa)
大統領、は、同フォーラムに派遣されている中国の特使が「非常に傲慢」で、首脳会議中に余計な口出しをするなど
「いじめっ子」のようだったと非難した。
同フォーラムには18の太平洋諸国の指導者、および米国と中国を含む非メンバー国の代表団が参加している。
国連で演説するワガ大統領。2016年9月にニューヨークで撮影
ワガ大統領は4日遅くの記者会見で「(ツバルの)首相が話そうとした際に中国の代表が発言を要求した」と述べた。
これに先立ち、非公開の首脳会議で激しいやり取りがあったとのメディア報道が出ていた。
同大統領は「彼は非常に傲慢で、一介の当局者にすぎないのに首脳会議をかなり長く妨げた。
彼は大国から来ているから我々をいじめたいと考えたのではないか」と説明した。
ナウルとツバルは台湾と外交関係を有する太平洋6カ国に含まれている。
中国外務省からは今のところコメントを得られていない。
ナウル・ワガ大統領、中国特使と緊迫したやりとり 「横柄」な振る舞い非難
中国特使団の杜起文(Du Qiwen)氏は4日、PIFの席上、気候変動に関する演説をしようとしたものの、
議長を務めるワガ大統領がこれを制したことで緊迫したやりとりが交わされた。ワガ大統領は激怒した一方、
杜氏ら中国の代表団は退場。杜氏は退室前、会場内を歩き回りながら不満を露わにしたとされる。
ワガ大統領は、PIFの開幕前にもビザ(査証)発給をめぐり中国政府を憤慨させている。
中国の特使団が入国する際にナウル側は、あからさまな当て付けであるかのように入国ビザのスタンプを
外交官用旅券には押さず、個人旅券に押す形で手続きを行うとした。
ささいな出来事のようにも見えるが、この対応に他のPIF加盟諸国が怒りの反応を示した。こうした国々の多くは、
中国から開発援助や無利子借款を受けている。
中国ではなく台湾と外交関係を結んでいるナウルは、人口わずか1万1000人、面積は21平方キロの小国だが、
同国のワガ大統領は大国である中国との不和にも臆しない姿勢を見せている。
ワガ大統領は、今回の会議の場で首脳らが杜氏よりも格上であり、演説はまず首脳らが優先されるべきという
ことを杜氏は尊重せず、威張り散らそうとしたと非難。「彼(杜氏)は非常に無礼で大騒ぎを引き起こし、
一当局者という立場でありながら、かなりの時間にわたって首脳会議を中断させた」
「おそらく大国から来たといって、われわれをいじめたかったのだろう」と指摘した。