北朝鮮、29日のミサイル発射を初めて認める 「火星12」
2017年08月30日 13:16 AFP
北朝鮮・平壌近郊の非公開の場所で行われた中距離弾道ミサイル「火星12」の発射訓練を視察する金正恩朝鮮労働党委員長(中央)。朝鮮中央通信(KCNA)公開(2017年8月29日撮影)
【8月30日 AFP】北朝鮮は30日、前日の29日に日本を越えてミサイルを発射したと発表した。北朝鮮がこのミサイル発射を
認めたのは初めて。
国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が現地で指導するなか、
中距離弾道ミサイルの火星12(Hwasong 12)が発射され、「予定された軌道に沿って北海道の渡島半島と襟裳岬上空を
横切って通過し、北太平洋の海上に設定された目標水域に命中着弾した」と伝えた。
朝鮮労働党の機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は30日、20枚以上のミサイル発射関連の写真を掲載。
その中には、北西太平洋の地図が置かれた席に着いた金氏が側近らと共に満面の笑みを浮かべている写真や、
金氏が発射されたミサイルを見上げている写真などがあった。
KCNAは金氏が「今後、太平洋を目標にして弾道ミサイル発射訓練を多く行う」必要があると述べたほか、29日のミサイル発射は
「侵略の前哨基地である米グアムをけん制するための意味深長な前奏曲になる」とし、現在行われている米韓合同軍事演習への
「断固たる対応措置の序幕」だと述べたと伝えた。
北朝鮮・平壌近郊の非公開の場所で発射された中距離弾道ミサイル「火星12」。朝鮮中央通信(KCNA)公開(2017年8月29日撮影)
金正恩氏「日本人驚がくさせる」=火星12「成功」、米グアムへの前奏曲-北朝鮮
2017/08/30-11:40 時事通信
【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信などは30日、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射訓練が29日に行われ、「成功した」と
報じた。
金正恩朝鮮労働党委員長は「恥辱的な韓国併合条約」が発効した1910年8月29日から107年に当たる29日に
「日本人を驚がくさせる大胆な作戦計画」を立て、発射を承認したという。
金委員長は発射訓練に立ち会い、「(訓練は)米グアム島をけん制する前奏曲となる」と強調。「引き続き米国の言動を注視し、
今後の行動を決める」と警告した。
また、「米国の態度を見守るとしたわれわれの警告に対し、米国は好戦的な侵略戦争演習で応えた」と非難。
「米国を言葉で相手してはならず、行動で見せなければならないというのが今回改めて得る教訓だ」と指摘し、「(ミサイル発射訓練は)
断固たる対応措置の序幕にすぎない」と主張した。さらに「今後、太平洋を目標とする弾道ミサイル発射訓練を多く行い、戦略兵器の
戦力化を積極的に進めなければならない」と語った。
北朝鮮の戦略軍は火星12を4発同時に米領グアム島周辺に向けて発射する計画を検討中と表明しており、金委員長は改めて
トランプ政権をけん制した形だ。
朝鮮中央通信は、新型中距離弾道ミサイルの実戦運用能力を確定するため、「不意の機動と打撃(発射)」を組み合わせて
行われたと強調。火星12は、予定された軌道に沿って北海道の渡島半島と襟裳岬上空を横切って通過し、北太平洋の海上に
設定された目標水域に着弾、「周辺諸国の安全に何の影響も与えなかった」と主張した。