現生人類、ボツワナで20万年前に誕生 DNA分析で特定
2019年10月29日 6:20 発信地:パリ/フランス AFP
現生人類誕生の地として特定されたマカディカディ・オカバンゴ地域を示した図。矢印は、人類が13万~10万年前に北東と南西の両方向に移動した経路。
【10月29日 AFP】現生人類は20万年前、ボツワナ北部で誕生したとする論文が28日、国際研究
チームにより科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。人類誕生の地を特定した研究結果としては、
これまでで最も詳細な位置を示したものとみられる。
解剖学的現生人類のホモ・サピエンス・サピエンスがアフリカで誕生したことは以前から知られて
いたが、その正確な場所は特定されていなかった。
研究チームは、「L0」系統のDNAを高い割合で保持することが知られている民族グループ
「コイサン」に属する200人からDNAサンプルを採取した。コイサンは現在、南アフリカとナミビアに
暮らしている。
研究チームはサンプルを地理的分布や考古学、気候変動のデータと合わせ、ゲノム年表を作製。
年表から、L0系統の起源が20万年前のザンベジ川(Zambezi River)南方のボツワナ北部に
さかのぼることが示唆された。
同地域はマカディカディ・オカバンゴ(Makgadikgadi-Okavango)と呼ばれ、現在は主に荒原が
広がっているが、当時はビクトリア湖(Lake Victoria)の約2倍の大きさの巨大湖があったという
。人類は同地域に約7万年の間住んでいたが、約13万年前に起きた気候変動により世界各地に広がって
いったとみられている。
ボツワナに広がるオカバンゴ・デルタ(2019年9月28日撮影、資料写真)