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嘘だらけの劉暁波の病状に関する中共プロパガンダ 遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長

2017-07-05 09:40:26 | 中国・中国共産党・経済・民度・香港

中国共産党の指導者は自分の権力を脅かす者の対し残虐な仕打ちをしてきました。処刑された方がまだましというくらい長期間にわたり幽閉し、病気の

治療もせず苦しみ死んでいくのを待つのです。21世紀の指導者もなんら変わっていないのです。

嘘だらけの劉暁波の病状に関する中共プロパガンダ   

遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長

2017年7月4日(火)16時00分   Newsweek 
 

ノーベル平和賞受賞者の劉暁波の即時釈放を求めるデモ(香港、6月27日) 

あたかも劉暁波氏が手厚い治療を受けているような動画が流れている。これは中共が仕組んだプロパガンダであると、中国内外にい

る劉暁波関係の人権派弁護士や関係者らが断言した。筆者に来るメールから真相を追う。


脳細胞を破壊される危険性もあった

ノーベル平和賞受賞者で獄中にいた劉暁波氏が中国社会に対する発信力を維持することを恐れた中国政府は、投獄した当初、劉暁

波氏を「外見的には健康そうで、脳細胞だけを破壊する処置」を何度も試みようとしたという。その方法を見抜いていた家族や人権派

弁護士などの関係者が何とかそれだけは防ぐことに成功した。


しかし癌にかかっている彼の体を治療することを拒否し、また彼が海外で治療を受けたいと望んでいたことも受け付けなかった。

彼の妻の劉霞さんは軟禁され、極度のストレスで重症の抑うつ症にもなっていた。そのため二人は北京や海外で高度の治療を受ける

ことを望んでいたが、それは拒否された。


中国当局が望んでいたのは、劉暁波の精神が死には至らない状態で精神活動能力を失い、言論活動が不可能になることだった。ちょ

うど北朝鮮に収容されていたアメリカ人学生オットー・ワームビアさんが解放はされたが、脳細胞が活動不能となっていて亡くなった状

態と似ている。北朝鮮と中国のやりそうなことだ。劉暁波氏の場合、それは失敗に終わった。


肝臓が破裂して大出血

しかしじわじわと肝臓がんが悪化するのを待ち、同様に言論活動をして中国の民主化に影響を与えることができないまでに徐々に弱ら

せようとしたのだが、劉暁波氏の病状は悪化し、肝臓が破裂して大出血を起こしたのだという。そのときには末期癌になっていて全身

に転移し獄死が懸念された。そうなると言論の自由を求める中国内外の民が民主を求めて一斉に立ち上がる可能性がある。習近平

の香港訪問に影響するとまずいと判断した当局は、劉暁波氏を瀋陽にある中国医科大学付属病院に獄外入院させた。


ネットに流した治療に集中しているプロパガンダ映像

そのことがネットを通して知られるようになると、奇妙なユーチューブ動画が流れ始めた。

劉暁波氏が牢獄で非常に良心的で手厚い扱いを受け、そのことに非常に満足しているということを撮影した映像だ。

これが何を意味するのか、人権派弁護士など関係者に分析をお願いした。その結果、以下のようなことが分かった。



劉暁波の顔の表情から見て、これは2008年12月に 「零八憲章」の起草者として拘束され、2009年6月に 「国家政権転覆扇動罪」な

どの容疑で北京市公安局に正式に逮捕された直後くらいの時期のものだと教えてくれた。


これは中共がよくやる手口で、2020年6月に刑期を終えて出獄したときに、継続して言論活動ができないように命を終える準備をさ

せ、しかし「当局は十分に手厚い治療を行なった証拠を残すための、中共の常套手段だ」と、強い言葉で中国共産党の周到な残虐性

を非難した。


海外の医者による治療を拒否した中国。日本からは治療の申し出なし

獄外治療を許された劉暁波たちは、夫妻ともに海外で治療を受けられるように当局に申請した。海外への渡航は中国政府が拒否した

が、劉暁波側には「それだけの体力がないから駄目だ」と病院側が告げたので、関係者が「このように座ることもできるので海外渡航

は可能だ」ということを示す意味で、病院で椅子に座って食事を与えてもらっている写真を隠し撮りして投稿したのだという。

一瞬だけ、そういう姿勢を取ってもらったそうだ。

筆者のところには「ドイツやEUあるいはアメリカは自国で治療を引き受けるとオファーを出してくれているのに、最も近い日本からは、そ

のようなオファーが来てない」という嘆きが届いていた。まだ中国政府が、正式に海外治療を拒否するという声明を出す前のことであ

る。日本政府は「人権」というものに対して、それを守らなければならないという正義感が弱いと残念がっていた。


次の段階として、瀋陽の病院側は「海外の医者が瀋陽の病院に来てくれて治療に当たってくれるのなら、それは拒まない」と言っている

という情報が入った。


そこで筆者は緊急に、日本社会に「どなたか治療に行ってくれる専門医はいないか」とい呼び掛ける発信をしようと準備していた。その

発信をする前に、また人権派弁護士等、関係者からメールが来た。中国政府が、それも拒否したという情報だった。


理由としては海外の医者は中国における医療行為を行なう資格を持っていないというものだったが、それは全く矛盾しており、それまで

は地震など他の災害時における海外の医者を受け入れてきたではないかと、関係者は怒っている。


中国当局が流させた病院における家族への説明動画

そこで中国当局は、劉暁波氏の家族に、海外の医療団を受け入れなければならないほど、治療に困っておらず、劉暁波氏自身は非常

に満足しているということを表明する映像をネットに流した。それが「これ」だ。


G20で劉暁波の苦言を言える国は
 

家族がこの撮影中に「病院に感謝する」という言葉を言わない限り、劉暁波の治療をストップするぞという強迫をしたのだと、人権派弁

護士は教えてくれた。もし専門医が来て劉暁波本人と会話をした場合は、「当局がどのようなことをしてきたかという真相」が分かってし

まうことを当局が怖れた結果、「これこの通り、十分な治療を行ない、家族も感謝している」ということを海外に知らせるためのプロパガ

ンダ映像に過ぎないとのこと。


人権シンポジウムで中国こそがリーダーと

2017年中国・欧州人権シンポジウムが7月2日、オランダのアムステルダムで開催された。これに関して、中国国営テレビのCCTVが

誇らしげに「中国こそは人権問題において世界のリーダーシップ的役割を果たしている」と報道した。唖然としたが、以下、中国政府の

プロパガンダの役割をしている中国国際放送局の日本語版ウェブサイトをご覧いただければ、一目瞭然。そこには中国国務院新聞

弁公室の崔玉英副主任が開幕式で以下のように挨拶していることが書いてある。


「中国は人類運命共同体理念を構築する提唱者だけではなく、この理念の推進者と実践者でもある。中国共産党及び中国政府は人権

を非常に重視し、保護している。自国の国情にふさわしい発展の道を歩むことを堅持し、国民の権利を常に第一に位置付けている。ま

た、国際人権事業の発展を積極的に推進し、国連の持続可能な開発目標を実現するために大きな貢献をしてきた」


この欺瞞、この虚偽、この虚構――!


これが中国だ。筆者は日夜、このことと闘っている。


7月7日と8日にはドイツでG20首脳会議が始まる。どの国の首脳が習近平国家主席に「劉暁波に関する人権問題」に関して苦言を呈

する勇気があるか。それは一種の踏み絵でもある。注目したい。

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<中国国際放送局>

中国・欧州人権シンポジウム、アムステルダムで開催

2017-07-03 12:18:06    CRI online

2017年中国・欧州人権シンポジウムが2日、オランダのアムステルダムで開催し、中国と欧州各国の人権分野の学者や専門家50人

余りが出席し、身体障害者の権利保障をテーマに討議しました。

 

 このシンポジウムは中国人権研究会とアムステルダム自由大学が共催し、中国の西南政法大学人権研究院とオランダ多文化人権

研究センターが開催したものです。

 

 その中で、国務院新聞弁公室の崔玉英副主任は開幕式のあいさつで、「中国は人類運命共同体理念を構築する提唱者だけではな

く、この理念の推進者と実践者でもある。中国共産党及び中国政府は人権を非常に重視し、保護している。

自国の国情にふさわしい発展の道を歩むことを堅持し、国民の権利を常に第一に位置付けている。また、国際人権事業の発展を積極

的に推進し、国連の持続可能な開発目標を実現するために大きな貢献をしてきた」と語りました。

 

 これに対して、欧州の人権問題専門家や学者は「欧州と中国は文化において違いが存在しているが、双方は全ての民衆により素晴

らしい生活を提供するために絶えず努力している。人権問題を巡って、ここ数年、中国と欧州は公開的で率直的な討論と交流を行って

おり、積極的な進展を遂げている」との考えを示しました。

治療目的の中国出国求め 欧米で支援の声広がる

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先進医療技術のある日本はいの一番に治療の申し出をするべきです。日中の対立があるので、中国も日本には出さないかもしれませんが、

熱心にアプローチはすべきです。

劉暁波氏 治療目的の中国出国求め 欧米で支援の声広がる

2017/7/1 11:17               毎日新聞

【北京】中国の民主活動家で末期がんのために刑務所から病院移送されたノーベル平和賞受賞者、劉暁波氏(61)を巡り、欧米を中

心に中国政府に劉氏の治療目的の出国を求める動きが広がっている。


7、8日にはドイツで主要20カ国・地域(G20)首脳会議があり、習近平国家主席も参加。支援者は「日本を含む各国の指導者が中国

に劉氏の解放を働きかけてほしい」と期待を寄せる。 


中国当局によると、劉氏は「肝臓がんが全身に転移」し、妻の劉霞さんも長期の軟禁生活で重い抑うつ状態にある。6月30日には関

係者のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で、劉霞さんの介助で食事を取る劉氏とみられる写真が公表された。衰弱した

様子がうかがえ、多くの支援者が「劉氏に残された貴重な時間を、せめて夫婦で平穏に過ごしてほしい」と願っている。 


ドイツや米国が劉氏の治療目的の出国を支援しているが、中国司法省の高官は28日に劉氏の家族、29日に北京に駐在する米独な

どの外交官に「劉氏の出国は認められない」と通告した。 


それでも支援の動きは広がり、欧州連合(EU)のモゲリーニ外務・安全保障政策上級代表(外相)は30日、「劉氏が国内外の希望する

場所で治療が受けられるよう中国政府に期待する」との声明を出した。


在中フランス大使館も29日、同趣旨の声明を発表。台湾も既に劉氏の釈放を求めた。


民間でも、ノーベル賞受賞者154人が連名で劉夫妻の米国での治療を求める公開書簡を、米人権団体が29日付で発表した。 


一方、北京のある支援者は「日本は距離が近く、医療設備も整っている。日本政府の動きがないのが残念だ」と語った。

安倍晋三首相は「価値観外交」を掲げてきたが、米独などとは温度差があり、中国に劉氏の解放を促す具体的行動は今のところ

見えない。