米軍、ソマリアで空爆 過激派「シャバブ」を標的
2017.07.04 Tue posted at 13:11 JST CNN
(CNN) 米国防総省の報道官は3日、米軍がソマリア南部バナディールで国際テロ組織アルカイダ系のイスラム過激派「シャバブ」に
対する空爆を実施したことを確認した。
米軍は2日に行った空爆について成果を検証中としているが、シャバブの地域司令官が死亡した可能性があるという。この人物は、ソ
マリアの米軍部隊に関する情報収集を担当していたとの情報もある。
トランプ米大統領は今年3月、米アフリカ軍司令部に対し、アフリカ連合(AU)軍とソマリア軍によるシャバブ掃討作戦を支援するために
空爆を実施する権限を与えていた。当局者らによると、空爆はそれ以降で2回目だという。
シャバブはアルカイダ系組織の3番手とされ、ソマリアや周辺国でテロを繰り返してきた。
ソマリアのアブドラヒ大統領は今年2月の就任以降、大胆な軍事改革を断行。米軍からは、2013年以来シャバブ掃討部隊に助言して
いる特殊部隊の対テロ顧問50人に加え、4月から新たに約40人が派遣されてソマリア軍兵士の訓練を支援している。
米アフリカ軍司令官は4月の記者会見で、ソマリア軍が2021年までに自力で治安を維持できるようにすることが目標だと述べた。
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過激派アルシャバブ台頭「アフリカで最も危険」
2017年6月26日 23時37分 毎日新聞
警察署を狙った自爆テロで死傷者が出た現場=ソマリア・モガディシオで6月22日、AP
【ヨハネスブルク】ソマリアを拠点とするイスラム過激派アルシャバブが爆弾テロや襲撃を繰り返し、ソマリア国内で一層治安が悪化して
いる。最近の犠牲者数ではナイジェリアのボコ・ハラムを上回り「アフリカで最も危険なテロ組織」と指摘する声も出ている。
アルシャバブは国際テロ組織アルカイダ系の武装組織。ソマリア内戦が泥沼化する中で台頭し、一時は国土の中・南部の広範囲を
占領した。その後、政府軍やアフリカ連合(AU)部隊の攻勢で支配地域を減らしたものの、再びテロを活発化させている。
アフリカではナイジェリア北東部を拠点とするボコ・ハラムのテロ激化に注目が集まってきたが、米国防総省が管轄するアフリカ戦略
研究センターなどの分析によると、アルシャバブは昨年、テロや襲撃で4281人を殺害し、ボコ・ハラムによる犠牲者数を約800人上
回った。
アルシャバブはラマダン(断食月)中の今月、特に攻勢を強め、テロが頻発。北東部の自治州プントランドで8日、軍基地に大規模攻
撃を仕掛け約70人が死亡し、14日には首都モガディシオのレストランで少なくとも31人を殺害した。
ソマリアでは、AU部隊が掃討作戦を展開するほか、トランプ米大統領も3月にアルシャバブへの空爆強化を承認し、米軍は掃討作戦
への関与を強めているが、いまだ治安悪化に歯止めがかからない状況。アフリカの過激派に詳しいフリーステート大(南アフリカ)のフ
セイン・ソロモン教授は「アルシャバブは国内外でテロを繰り返す能力とネットワークを持ち、壊滅は容易ではない。ボコ・ハラムも衰退
したとは言い切れず、両組織の脅威は今後も続くと見るべきだ」と今後もアフリカで過激派のテロが続くとの見方を示した。