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【南北首脳会談】 文在寅氏、仲介者から北朝鮮の擁護者に…金正恩氏を賞賛

2018-09-21 11:34:46 | 朝鮮半島有事・非核・南北朝鮮

【南北首脳会談】
文在寅氏、仲介者から北朝鮮の擁護者に…金正恩氏を賞賛

2018.9.20 21:40    産経新聞

【ソウル】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は20日までの訪朝で、米朝の仲介役から北朝鮮の

擁護者に回る側面を強くのぞかせた。韓国大統領として初めて北朝鮮国民を前に行った演説では、

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を手放しで称賛。独裁体制を認める言質を与えたことにも

なりかねない。


 クライマックスは金氏と平壌で19日夜にマスゲーム・芸術公演を鑑賞後に行った演説だった。

文氏は「わが民族の運命はわれわれ自らが決めるという原則を確認した」と強調し「民族の未来に

向かって歩む皆さんの指導者、金委員長に惜しみない賛辞と拍手を送る」と南北の平和共存にかじを

切った金氏をたたえた。


 会場を埋めた約15万人の観衆は総立ちで拍手と歓声を送り続けた。文氏は上気した様子で金氏と

手を取り合って掲げ、歓声に応えた。「平壌の驚くべき発展を見た」とし「厳しい時期にも民族の

自尊心を守り、自ら立ち上がろうとする不屈の勇気を見た」と力を込めた。一糸乱れぬ市民の動きは

独裁国家だからなし得る姿だ。それでも文氏は制裁下で金氏が進める自立更生路線を半ば認めたのだ。


 「9月平壌共同宣言」署名後の共同記者会見では、開口一番、「戦争なき朝鮮半島が始まった」と

宣言した。戦争なき朝鮮半島は文氏最大の宿願で、宣言文でも戦争脅威の除去が真っ先にうたわれた。

制裁の中、南北の鉄道・道路連結の年内着工や北朝鮮のドル箱である開城(ケソン)工業団地や

金剛山(クムガンサン)観光を条件が整えば再開することも盛り込まれた。

 

 いずれも文氏の構想に基づく措置で、経済再建を急ぐ金氏と完全に利害が一致した形だ。

文氏らは平壌で国際社会の制裁対象である美術品製作所も視察した。


 一方で、非核化に関する条文は最後に記され、核施設の廃棄という具体的措置も米側が「相応の措置」を

取ればという条件が付けられた。文氏は米朝の非核化交渉の仲介役を一定限果たしたことになるが、

北朝鮮が主張する段階的措置に南北合意というお墨付きを与えたことで、逆に今後の米朝交渉を

束縛していく役回りを演じる可能性もある。