英議会、EU離脱案をまた否決 3度目の採決で
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【3月29日 AFP】英議会は29日、テリーザ・メイ(Theresa May)首相が欧州連合(EU)と
まとめた英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)協定案をめぐる3度目の採決を行い、またも
否決した。これにより英国は、ブレグジットが長期にわたって延期されるか、混沌とした
「合意なき離脱」を2週間後に迎えるかのいずれかとなった。
欧州理事会(European Council)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)常任議長(EU大統領)
は直ちに、4月10日のEU首脳会議開催を決定。メイ首相は今後の方針を説明する必要性に迫られて
いる。
EUは4月12日を決断の期限としており、今後の選択肢としては、英国がEU側との合意に
至らないまま離脱するか、新たなアプローチを考案する時間を稼ぐために離脱を長期にわたり
延期するかのどちらかになる可能性が高い。
最大の貿易相手であるEUとの関係を無計画に絶つことによる甚大な影響を恐れる英議員らは、
これまで「合意なき離脱」を繰り返し拒否してきた。
だが欧州委員会(European Commission)は29日の協定案否決を受け、合意なき離脱は
引き続き「可能性の高いシナリオ」だと指摘した。フランス大統領府もこれに同調し、英政府は
「近日中に代替案を至急提示」しなければいけないと表明。またハイコ・マース(Heiko Maas)
独外相は「無秩序なブレグジットを防ぐための時間がなくなり始めている」と述べた。
「裏切りをやめろ」 英EU離脱、当初予定日迎え賛成派怒り
英ロンドン中心部で開かれたブレグジット賛成派の集会に集まった人々(2019年3月29日撮影)
【3月30日 AFP】英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)が実現するはずだった
29日、ロンドンの議会議事堂前では数千人が集まり、英国旗を振りかざして「裏切り」行為を
非難した。この日は英国の「独立の日」となるはずだったが、政治停滞により離脱は土壇場で
延期されていた。
英国を分断した国民投票で52%がEU離脱を支持してから3年が過ぎようとする中、議員らは
EU離脱の方法のみならず、離脱が本当に可能なのかさえもわからずにいる。
英議会はこの日、テリーザ・メイ(Theresa May)首相がEUとまとめた離脱協定案について
3度目の採決を行ったが、同案はまたしても否決された。議事堂前の広場では、議員らに住民投票の
結果を尊重するよう要求するデモが行われた。
英国旗を身にまとってデモに参加したロンドン東郊ビラリキー(Billericay)在住の
デビー(Debbie)さん(54)は、「残留派の議員たちは傲慢(ごうまん)で、きっと激しい
反発を受ける」と語った。
ブレグジットを熱烈に支持する人々は、英国が離脱協定でEUと合意することなく即刻離脱し、
世界貿易機関(WTO)の規則に復帰することを求めている。
デモ参加者らは、「ブレグジットの裏切りをやめろ」、「私たちの王国を返せ」、
「今こそ英国を自由に」などと書かれたプラカードを掲げた。
EU懐疑派の政治家スザンヌ・エバンス(Suzanne Evans)氏は、当初の予定通り3月29日
午後11時(日本時間30日午前8時)にEUを離脱できないことの意味は重大だと指摘。
「独立の日を祝うはずだった。それが約束だった。(議員らは)もう一切信用できない。
まったくもって恥ずべきことだ」と述べた。