北朝鮮キム委員長 韓国の大統領特使と面会 晩さん会に出席
2018年3月5日 19時24分 NHKニュース
韓国大統領府は、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が5日午後、韓国政府が派遣したムン・ジェイン(文在寅)
大統領の特使とピョンヤンで面会し、晩さん会に臨んでいると発表しました。キム委員長が北朝鮮の最高指導者に就任して以降、
韓国政府の当局者と会ったのはこれが初めてです。
韓国政府が5日から2日間の日程で北朝鮮に派遣したムン・ジェイン大統領の特使を乗せた特別機は、日本時間の午後3時前、
ピョンヤンに到着しました。
一行は、大統領府のチョン・ウィヨン(鄭義溶)国家安保室長をトップに、情報機関・国家情報院のソ・フン(徐薫)院長など5人と、
随行員5人の合わせて10人で、ムン大統領の親書を携えており、ピョンヤンの空港では、韓国との窓口機関である祖国平和統一
委員会のリ・ソングォン委員長が出迎えました。
韓国大統領府の発表によりますと、一行は、朝鮮労働党で韓国との関係を統括するキム・ヨンチョル副委員長と宿泊施設で会談し、
日程などについて協議したあと、日本時間の午後6時から、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と面会し、晩さん会に臨んでいる
ということです。
キム委員長が北朝鮮の最高指導者に就任して以降、韓国政府の当局者と会ったのは、これが初めてです。
韓国側としては、南北対話の機運を持続させるとともに、アメリカが北朝鮮との対話再開の前提とする非核化に向けた意思を
示すよう直接働きかけるものと見られ、これに対してキム委員長がどのような姿勢を示すのか注目されます。
河野外相 北朝鮮は非核化に一歩踏み込んで
河野外務大臣は5日午後7時前、外務省で記者団に対し、「韓国側には、特使が韓国に戻ってから話を聞くことになっているので
具体的にどういう話があったのかしっかり聞いてから判断したい」と述べました。
また、記者団が「キム委員長が、韓国政府が派遣した特使と面会したのは想定した範囲か」と質問したのに対し、
「北朝鮮側が、一生懸命、特使を呼び込んでいたわけなので、いろいろなことがあるのだろうと思っていた。制裁がそれだけ
効果をあげていることだと思う。北朝鮮は『ほほえみ外交』をやっていると思うが、それに目を奪われてはならない。
北朝鮮は、きちんと非核化に向けて一歩を踏み込んでもらいたい」と述べました。