青い空をキャンバスにして…☆
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「夕焼け小焼け」の「小焼け」とは?
舞台裏
/
2010年02月14日
今年の合唱祭で歌う曲は、
「夕焼け小焼け」と「アカナー(沖縄のわらべ歌)」になりそうです。
どちらも夕焼けを歌っている、ということで。
そんなわけで、「夕焼け小焼け」の「小焼け」がどんな意味なのか、
先日の練習のときに、ちょっと話題になりまして…
「夕日が沈んでからの夕焼けを小焼けと言うんだと思う」
「いや、単に、言葉遊びでしょう。大波小波とか、大寒小寒、仲良しこよし、とかみたいに…」
いろいろ言うて、まとまりませんので、ちょっと調べてみました。
★その1
「小焼け」という言葉に意味があるか、つまり単独で使われる言葉なのか…
図書館にある国語辞典類を片っ端から探しました。
広辞苑、大辞林、日本国語大辞典、新明解国語辞典…などなど約10種類。
しかし、いずれも、「小焼け」という項目はありませんでした。
オンライン学術用語集
にも、
「小焼け」の項目はありません。
ちなみに、「夕焼け」は気象学編(増訂版)にのみ載っているとのこと。
goo辞書
及び
Yahoo!辞書
では、
-------------------
こやけ 【小焼け】
「夕焼け」と語調をそろえていう語。
「夕焼け—」
[ 大辞林 提供:三省堂 ]
-------------------
と、いうのが見つかりました。
辞書ではないサイトに、
夕焼けこやけの「こやけ」、仲良しこよしの「こよし」の意味を教えて下さい。
というのがありました。
そこからたどっていくと、
『太陽が沈んで10~15分するともう一回空が赤くなります。これが「小焼け」と言うのです。』
という説明のあるページにたどり着きました。
他にも、この表現はいくつか見つけたのですが、
どうも、ネット社会の孫引きのようで、
つまり、出典がはっきりしません。
基本的に、辞書類に掲載されていないことから、
どこかの地域、又は集団などで使われているローカルな言葉が、
ネット社会で広がっていったのではないでしょうか。
それに、「朝焼け小焼け」(たとえば、金子みすゞの「大漁」など)という場合もあるし…
これは太陽が昇る方だから、まったく当てはまりませんよね。
ということで、
【「小焼け」そのものには意味はない】
というのが、私の結論です。
参考までに、
2008.7.21 18:52 日没時の夕焼け
2008.7.21 19:27 日没から約20分後の夕焼け雲
※写真をクリックすると、詳細ページへ!
★その2
「夕焼け小焼け」と言葉を重ねることで、意味が現れるのか。
「小焼け」は見つからなかったけど、
「夕焼け小焼け」ということで、
「夕焼け」のところに載っている辞典はいくつかありました。
でも、その多くは、用法として「夕焼け小焼け」と書いてあるだけで、
特に意味まで示してありません。
意味(?)まで書いてあったのは2つだけ。
まず1つは、日本最大規模の国語辞典と言われる
「日本国語大辞典」(小学館・図書館にあるのは全20冊・古い?)です。
『(「こやけ」は、語調を整えるために添えたもの)「ゆうやけ」に同じ。』
として、童謡の歌詞がいくつか書いてありました。
2つ目は、新明解国語辞典(三省堂・小さいやつ)で、
『夕焼け小焼け〔=夕焼けがだんだん薄れること〕』
と、ありました。
「小さい夕焼け」というような意味かな?
(でも、太陽が沈んでからもう一度赤くなる、という意味にはとれませんね。)
ネットで検索すると、新明解国語辞典に書いてあった…として、
「だんだん薄れる」という意味を支持する意見も多いのですが、
なんせ、10分の1です。
あ、つまり、国語辞典10種類中1つです。
だから、コンセンサスを得られているかというと、ちょっと…
説明と言えば、
日本語で詩や歌を作るには、音数律といって、 音の数で韻律を組み立てます。
それには五七調とか七五調といって、五音と七音でまとめるのが 一番具合がいいのです。
五七五なら俳句だし、五七五七七なら和歌です。
民謡は大部分が七七七五になります。
「ゆうやけ」も、その次に「こやけ」という三音が来ることに よって、口調がよくなるのです。
同じような例として「大寒小寒」とか「仲よし小よし」などがあります。「ほうほう蛍」
「ちんちん千鳥」なども似たような ものです。つまり、「夕焼」「大寒」「仲よし」などの
調子を整えるためのことばで「小焼」「小寒」「小よし」には 特別な意味はないのです。
童謡たまてばこ「小焼けとは」
というのもありました。
うん、この方が、説得力がありますね。
つまり、
【「夕焼け小焼け」の「小焼け」は語調を整えるために添えたもの】
と考えるのが、いちばん無難ではないかなぁ?
とは言え、言葉は生き物ですから、
「小焼け」にも意味をつけて使う人が増えてくると、
ほんとうに、その意味に変わっていくかも知れませんね。
そして、いつかは「国語辞典」にも載ったりして…
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