剥離尖頭器と両面加工尖頭器の優劣はどうだったのか
図 年表 ホモサピエンスの歴史
西南アジア、メソポタミアでは10,000年前でも剥離型尖頭器を使い続けていた
日本列島では20000年前頃には剥離型尖頭器の次の進化、両面加工尖頭器を作っていた
それはサケ漁という、遡上回帰漁という特殊な短期間、期間限定の漁のために作られたものと考える
高度な加工法である石器であるものの、汎用性があるものでは無いようだ
剥離型尖頭器は加工の手数が少なく、効率的に作れるものである
それに対して、両面加工尖頭器は加工手数が膨大で、石材ロスも膨大なものである
メソポタミアは石材は輸入に頼り、石材ロスは極力抑えたいところだった
サケ漁のような短期間に高頻度で使っても耐久性が高いものとして、両面加工尖頭器は優れていたものと思う
しかし普通の猟ではこんな高頻度繰り返し使用は無く、耐久性はそこそこであれば十分だったものでは無いか
普通の猟では、両面加工尖頭器程の高い耐久性は必要とされなかった
こうしたことから両面加工尖頭器は石材原料の問題もあり、広範囲に使われるように広がることは無く
極狭い範囲で使われたようだ
図 オーストラリア
図 テインカユ
図 アメリカ
海外進出してもそれからの広がりに欠けていて、どこでも狭い範囲に止まっていた