今日12月9日は、断臂摂心の日になります。
これは、中国禅宗二祖・慧可大師さまが、初祖である達磨大師さまに弟子入りを願われて、自らの臂を断ち、その志気をお見せになった故事を指します。この故事について、曹洞宗大本山總持寺御開山・太祖瑩山紹瑾禅師さまは、以下のように御提唱されます。
光、教を受て嵩山少林寺に到る。大通二年窮臘九日なり。
大師、入室を許さず。師窓前に立つ。其夜大に雪ふる。雪中に立て明るを待つ。積雪腰を埋み、寒気骨に徹る。落涙滴滴凍る。涙を見るに愈よ寒きことを増す。密に惟ひき、昔人道を求るに骨を敲きて髄を取り、血を刺して饑を済ひ、髪を布きて泥を掩ひ、崖に投じて虎に飼ふ。古尚ほ此の若し、我又何人ぞと。是の如く思ひて志を励まして、撓むことなく堅く立て動ぜず。
遅明、大師よもすがら雪の中に立つを見て、愍て問て曰く、汝久く雪中に立つ、当に何事をか求むべき。
師曰く、惟願くは、和尚、慈悲、甘露門を開き広く群品を度したまへ。
大師曰く、諸仏無上の妙道は曠劫精勤して、行じ難きを能く行じ、忍に非ざるを而も忍ぶ。豈小徳小智軽心慢心を以て真乗を冀はんと欲し、徒らに勤苦に労せんやと言て、又顧眄せず。
時に師、慈誨を聞て、涕涙益す長し。求道の志、愈よ切なり。窃かに利刀を執て自ら左臂を断ず。
大師、是れ法器なりと知て示て曰く、諸仏最初に道を求む、法の為に形を忘る。汝今臂を吾前に断つ。求ること亦た可なること在り。師、遂に因て与に名を易て慧可と曰ふ。終に入室を許す。
『伝光録』第29章
我々曹洞宗寺院では、この故事を追慕して、9日夜は一晩、徹夜坐禅をすることが伝統になっています。
これは、中国禅宗二祖・慧可大師さまが、初祖である達磨大師さまに弟子入りを願われて、自らの臂を断ち、その志気をお見せになった故事を指します。この故事について、曹洞宗大本山總持寺御開山・太祖瑩山紹瑾禅師さまは、以下のように御提唱されます。
光、教を受て嵩山少林寺に到る。大通二年窮臘九日なり。
大師、入室を許さず。師窓前に立つ。其夜大に雪ふる。雪中に立て明るを待つ。積雪腰を埋み、寒気骨に徹る。落涙滴滴凍る。涙を見るに愈よ寒きことを増す。密に惟ひき、昔人道を求るに骨を敲きて髄を取り、血を刺して饑を済ひ、髪を布きて泥を掩ひ、崖に投じて虎に飼ふ。古尚ほ此の若し、我又何人ぞと。是の如く思ひて志を励まして、撓むことなく堅く立て動ぜず。
遅明、大師よもすがら雪の中に立つを見て、愍て問て曰く、汝久く雪中に立つ、当に何事をか求むべき。
師曰く、惟願くは、和尚、慈悲、甘露門を開き広く群品を度したまへ。
大師曰く、諸仏無上の妙道は曠劫精勤して、行じ難きを能く行じ、忍に非ざるを而も忍ぶ。豈小徳小智軽心慢心を以て真乗を冀はんと欲し、徒らに勤苦に労せんやと言て、又顧眄せず。
時に師、慈誨を聞て、涕涙益す長し。求道の志、愈よ切なり。窃かに利刀を執て自ら左臂を断ず。
大師、是れ法器なりと知て示て曰く、諸仏最初に道を求む、法の為に形を忘る。汝今臂を吾前に断つ。求ること亦た可なること在り。師、遂に因て与に名を易て慧可と曰ふ。終に入室を許す。
『伝光録』第29章
我々曹洞宗寺院では、この故事を追慕して、9日夜は一晩、徹夜坐禅をすることが伝統になっています。