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私を忘れないでーシラン

2006-05-14 08:32:12 | Weblog
 
忘却ーシラン
 俳画 今日の花「シラン」。花言葉「あなたを忘れない
   題字 「座観」
 


ラン科。多年草。

中国西南部から台湾、南西諸島、日本の中部まで分布。
本州中部より西、関西~九州に広く自生します。


草丈は、30~50センチ。

花期は、5~6月にかけて。

「素朴なカトレア」という雰囲気もただよう花を、
一本の花茎に数個咲かせます。

幅の広い緑の葉と、紫の花のコントラストは目を引く姿。

花色は、紅紫のほかに、白もあります。


地中浅くに、平たい球形の茎(地下茎、偽球茎)を作って増えますが、

これを掘り出して加工したものは
「白及(ビャクキュウ)」と呼ばれる漢方の生薬。

外用薬としては、傷の保護やあかぎれに、
内服薬としては、止血剤として胃潰瘍や十二指腸潰瘍に用いられています。

粘液質を多く含むため、
傷ついた細胞の保護、修復によいとされているんですね。


また、その粘りを生かした意外な使われ方が、
「七宝(しっぽう)焼き」の材料として。

愛知県尾張地方が有名な産地の工芸品ですが、
(名古屋の北西部に「七宝町」があります)

図案をかたどる銅線を、基板に固定するときの
「接着剤」として使われているんだそうです。



「気むずかし屋」が多いとされるラン科の中にあって、
丈夫さ、育てやすさはおそらく「世界トップクラス」。

「地植え対応」はもちろん、
放っておいてもどんどん株分かれして、増えていきます。


温帯・平地の気候に見事適応し、

人間のそばで生きるために、
たくましさと、愛される美しさとを兼ね備える・・・、

なかなかの「世渡り上手」と言えますまいか。

一度植えたら、
忘れようったって、「忘れられない」存在になることは、
間違いないでしょう。

 「文章協力:中村クーミン  メールマガジン『今日はこの花っ!花ことば366日の世界』
  http://www.mag2.com/m/0000170500.html」

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