題字「慈善」 わが大地 御牧原は「しらたイモ」の産地
ナス科。多年草(ですが年越しは「イモ」です)。
南アメリカ、アンデス山地のペルー・チリ周辺が原産地
とされます。
トウモロコシ、トマトなどもこの辺りの出身。
日本には、16世紀後半に長崎に渡来したのがはじまり。
ジャカルタ経由でやってきたことから、
当初は「ジャガタライモ」と呼ばれていました。
草丈は、80センチほど。
5月下旬~6月にかけて、
白や淡い紫色の花を咲かせます。
花が終わり、地上部の茎があらかた枯れたところで、
嬉しい楽しい「イモ掘り」となります。
イモは、地下茎が肥大化したもの。
じつは、渡来してから長い間、
花を観賞する目的で栽培されていたのです。
なかなか料理法が確立せず、
(=日本人の口に合わなかった)
作物として本格栽培されはじめたのは、
18世紀後半の天明の飢饉、そして19世紀の天保の飢饉が
きっかけ。
明治に入って、ようやく食物として普及したようです。
現在は、そのまま食用にするほか、
でんぷんは精製されて「片栗粉」として、
医療や工業分野においても、
粘り気を出す「糊料」、薬のコーティング剤などに使われています。
「男爵」「メイクイーン」などの品種の違いや、
「芽や、緑になったところには有害物質があって、食べると中毒に」
などは、おなじみのネタですので、割愛!
ここはひとひねりしまして・・・
突然ですが、
画家・ミレーの「晩鐘」という絵画、
ご存知ですか?
農家の夫婦が、夕暮れの畑にたたずみ、
夕べの鐘を聞きながら祈りを捧げている・・・という風景を、
情感あふれる筆致で描いた名画ですが、
ご夫婦が祈りを捧げているのは「ジャガイモ畑」、なんですね~。
足もとに、存在が確認できます。
じっくりご覧になる機会ありましたら、
ぜひ、ご確認ください。
長きにわたり、人類の命を支えている「慈愛」に満ちた存在、
これからもお世話になります。
「文章協力:中村クーミン
メールマガジン『今日はこの花っ!花ことば366日の世界』
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