香港は金土日3連休、日本は土日月3連休、大陸はドドーンと7連休のサワヤかな行楽日和の10月初頭。勤め人の連休なんか何の関係もねえしがない在宅ワーカーがまたもやご機嫌ナナメになっておったのは言うまでもございません。
時にわたくし、お仕事の際は、わたくしがココロから敬愛するタダ一人の女性を除き、一切ニホン人と「直接」カカワリ合いになる事はありません。モチロン香港翻訳業界の中でも最低カーストの「英日のみ」翻訳につき、エンド・クライアントは概ね日本人なのでございますが、何も知らぬうちにゾンビさんという危険な人物の手に極秘書類が渡って困る人はいても(冗談です、念の為。わたくし仕事でそおゆうマネはいたしません、一応)、コチラが日本人にお世話になる事は全くございません。だからこそ、香港の狭い日本人社会の圧力を気にすることなく、ここで好きホーダイ書けるんですねえ。えーと、今はそういう話じゃなくて。
そうそう、なもんで、わたくしが直接お仕事をするのは全て、地元香港人経営のコレマタしがない翻訳事務所。ここで冒頭の話に戻るのでございますが、そこの経営者、実質上「一人で何でもやってる」にいちゃん、日頃は人一倍仕事熱心な彼が(注:勤労意欲がないように見える香港人も、いったん自分のショーバイとなれば日本人よりハルカに働く)このタビ国慶節・重陽節が密着していた事から、たまにはフッと心身ともに安らぎに身をユダねてみたくなったのか、ホカの善良なる香港人のマネして一挙に(自分だけ)大型連休化を断行。最後の最後まで人をコキつかった挙句、残りの連絡業務は日頃おエラい中間クライアント様ナドとは全く接する機会のない哀れな零細下請け要員に全て任せ、愛する妻子と共に休暇旅行へとカロヤかに旅立ったのでございます...
---香港のしがない在宅ワーカー 苦悩の日々編---
某月某日
「ボク今晩の飛行機に乗るから」と通算345回宣言しながらガンガン電話してくる某翻訳事務所経営L氏のインストラクションに従い、朝からメシ食う暇もなくコキ使われる私。こういう時に限って歯がチョー痛いのは、台湾独立派と駐在奥の呪いか。
終業前1時間半、最後のドタン場になって急遽2ページの翻訳。ヒー。イヤ今やんなくてもいいんだけど、ここで終わらせればL氏が旅立つ前に彼からクライアント様に送らす事が出来るとタダそれだけのために、疲れ果てたボロ雑巾のような体にムチ打ちつつ必死で間に合わせたのは嗚呼、ただただウチのプリンターが使えないためであった。
仕事終わって家に帰りウキウキ旅支度をしている筈のL氏からダメ押しのメール。「○○案件、クライアントOK、至急確認されたし」
痛くない方の歯で何とか無難なモノを食しつつ、その後もよくワカラン事でメール3往復。最後はこちらからの問合せであったのだが、それに返事が来ないところを見ると、ついに時間切れとなり予定通り空港に向かったと思われる。問合せの件は急遽忘れ、ひとまず安堵。よっしゃあ。
某月某日
確か「旅行中は連絡つかないから」と言っていた筈のL氏からまたもやメール。どっから打ってんだか。見れば、私の問い合わせに軽く1行で答えた後、ナニヤラ見覚えのないファイルが添付されている。メールをよく読むと、私とは何の関係もない仕事の文書ファイルを、翌日別件で事務所に行く(かもしれない)私に、フロッピーに保存の上、持参してほしい様子。しかも朝イチ。
ダメ押しでに「1時間以内に確認の返事請う」と書いてあったようだが、見なかった事にしてサクっとメールを閉じる。
某月某日
朝っパラからジョン・フォックスの「長距離電話(long distance)!」と怒鳴る声にタタキ起される。そう言えば、長距離電話のイギリス英語表現とアメリカ英語表現の違いが事件解決のヒントとなった有名な推理小説があったななどとドーデモいい事を考えつつ、稼動力0.03%の脳ミソで電話に出る。案の定L氏である。
何はともあれ、相変わらずアイソのいい彼の話を聞くと、朝イチでなくてもいいようだ。依然として私には何の関係もない仕事には変わりないのだが、私も取り合えず彼の事務所に用があるため、「午後ならいいよ」と快く引き受ける。ナンだカンだ言って、私も彼が好きなのである。
昼頃のフェリーに乗り、街へ。まっすぐ事務所に向かうと、話に聞いていた通り留守を与るナゾのおじさんがいる。相変わらず華人商売の会社の人物構成はいつ見ても不可解。この人はとてもいいオジサンなので、L氏が語っていた彼の人物評はあえて避けるが、行けばソコにある筈の書類が全く見つからず、これまたナゼか事務所でパソコンをいじっていたナゾの青年と計3名で右往左往する。
本来なら、その足で某政府ビルにて翻訳の「declaration(以下「宣誓」とする)」をする運びであったのだが、手持ちの書類では余りに不安なため、いったん諦め、今日郵送でウチ(注:離島の南Y島という所デス)に届いている筈の書類を確認のため帰宅。ハルバル帰ってきた私を迎えたものは、ポストに差し込まれたばかりの正にソノ書類であった。
再びフェリーに乗り、中環にトンボ返り。船中でガシガシとまとめておいた書類をひっつかみ、本日の宣誓の最終回に何とか間に合わせる。L氏が用意しておいた、某超大手法律事務所の宛先シールが貼ってある封筒に無造作にツッ込み、同ビル内にある郵便局から投函。一瞬切手代のレシートを貰おうと思ったが、疲れ果てていたため、私費で払ったカネはドブに捨てることにする。
某月某日
もう一件クライアントに連絡しねえといけねんだよなナドと思いつつも、昨日の2往復が寄る年波にコタえていたため、朝起きてメシ食った後、軽く横になる。が、しばし後、またもやジョン・フォックスにタタキ起こされる。事務所の留守番氏からであった。聞けば、要領は得ない物の、昨日私費にて投じた書類にナニヤラ不備があった様子。何はともあれ、ご立腹らしきクライアント様に直接電話する。いない。メシ時か。大至急じゃなかったのか。メッセージだけ残し、待機状態に入る。
クライアント様から電話。どうも、昨日やったばかりの宣誓は、一つではなく二つに分けて欲しかったらしい。アタシ知らないって、そんなの。ソレ完全に事務所の手落ち。しかしハルか彼方のL氏に抗議している暇はない為、某超高級ビル内にある相手先事務所まで大人しく書類を引き取りに行く事にする。またフェリーに乗らなくてはいけないのは、言うまでもない。
ウス汚れた身なりで、高級事務所の高級弁護士様と面会。マジメそ~な、カタそ~な女性である。どうもソコの事務所とL氏の事務所の間で連絡不行き届き(今作った言葉です)があったらしくアヤシまれるが、ウス汚れた身なり自体は全く気にされる事がないのが香港のいい所。私も香港人になりきり、チョーシよく「も一度行ってきます~」などと言い残し、問題の書類、そして実は相手先に送ってはいけなかったのに、知らされていなかったため昨日間違えて一緒に入れてしまった別の書類を、何クワぬ顔でシュッと奪い取って、笑顔で引き上げる。取り合えず今日はもう宣誓は間に合わないので、まっすぐ帰宅。
帰るとL氏からの電話留守録2件、そして「最重要」のマークがついたメール3本が届いている。「じゅんこ、クライアントには会わなくていい、まっすぐウチの事務所に行ってアレしてコレして(以下略)」
...どうもちょっとヤバかったらしい。「既に会ってしまったが大丈夫だ、心配するな」と返事を出す。どっちみち私にフリかかってくる責任は一切ないのだが、やはり私は彼が好きなのである。
某月某日
前日電話しておいた、また別の超大手法律事務所に朝向かう。実は私は普段は、もらった文書に相手先が書かれていない限り、その先のクライアントの名を知る事はめったにない。下請け翻訳ワーカーに出し抜かれて客と直接交渉されるのを回避するためのL氏のヌカリない戦略であると思われるが、私も、ソレでなくてもヤヤこしい問題が多い法律案件で口から生れてきたよな精鋭弁護士集団が跋扈する事務所や、どーしよーもなくなってからそのテの事務所に駆け込んで大金注ぎ込む日本人エンドクライアントと関わり合いになるのはマッピラごめんなので、たとえ賃金は激安でも今の状態に満足している(多分)
しかし今回、置屋のヤリ手婆の如きL氏が留守という不慮の事態につき、日頃は名前も知らぬ中間クライアント様に直接お会いせねばならぬ私であった。たまにはいいかも。どうせヘンなカッコで行くし私。
お会いしたのは大手法律事務所その2で研修中の若手女性弁護士。北米系の淀みない英語を駆使する、明るく感じのいい若い人である。和やかに話を終え、渡された書類を手に、また印刷のためにだけL氏の事務所に向かう。「ヤッホー」などとミョーに浮かれながら入って行く私を迎えたのは、前述の留守番氏およびモノモノしい顔つき&堂々とした体躯の男性3名。ナント前日、事務所にドロボーが入ったそうである。ガタイのいい3名氏は皆、私服警官であった。
「ひょええええ」と驚きつつも、実地検証するでもなく何事か広東語で話し合う彼らをヨソ目に、サッサと自分の用だけ済ます。ホトケ心で、ドアが壊されているため昼メシに行けない留守番氏の代わりに、少しだけ事務所でお留守番してあげる。
午後2時過ぎまで待ち、昨日差し戻しされた書類のもう1件の宣誓を無事済ませる。本来ならそのままL氏の事務所にそれを置き去りにしてもよいのだが、翌日が祝日であること、事務所が災難にあったこと、そして大手法律事務所その1のマジメ弁護士女史が翌週から香港にいないと言っていた事を考慮し、本人に直接届けに行く。
昨日と全く同じ服装で、昨日より3割増しウス汚れた私の身なりは意に介せず、ワザワザ届けに来た私に感謝し、生まれつきと思われるカタ苦しいマジメな顔つきを思わずほころばせた女史の笑顔を見て、私もシアワセな気分になる。
...いつまで書いてんだアタシ。そうなのよ、実は今日もこれから、出かけなくてはならん。本来ならばこの後、「それでは今日のヘッドラインです」に続けてニュースの話になるのだが、それはまた帰ってきてからやろう(多分) あああL君、早く帰ってきてぇ~~~
時にわたくし、お仕事の際は、わたくしがココロから敬愛するタダ一人の女性を除き、一切ニホン人と「直接」カカワリ合いになる事はありません。モチロン香港翻訳業界の中でも最低カーストの「英日のみ」翻訳につき、エンド・クライアントは概ね日本人なのでございますが、何も知らぬうちにゾンビさんという危険な人物の手に極秘書類が渡って困る人はいても(冗談です、念の為。わたくし仕事でそおゆうマネはいたしません、一応)、コチラが日本人にお世話になる事は全くございません。だからこそ、香港の狭い日本人社会の圧力を気にすることなく、ここで好きホーダイ書けるんですねえ。えーと、今はそういう話じゃなくて。
そうそう、なもんで、わたくしが直接お仕事をするのは全て、地元香港人経営のコレマタしがない翻訳事務所。ここで冒頭の話に戻るのでございますが、そこの経営者、実質上「一人で何でもやってる」にいちゃん、日頃は人一倍仕事熱心な彼が(注:勤労意欲がないように見える香港人も、いったん自分のショーバイとなれば日本人よりハルカに働く)このタビ国慶節・重陽節が密着していた事から、たまにはフッと心身ともに安らぎに身をユダねてみたくなったのか、ホカの善良なる香港人のマネして一挙に(自分だけ)大型連休化を断行。最後の最後まで人をコキつかった挙句、残りの連絡業務は日頃おエラい中間クライアント様ナドとは全く接する機会のない哀れな零細下請け要員に全て任せ、愛する妻子と共に休暇旅行へとカロヤかに旅立ったのでございます...
---香港のしがない在宅ワーカー 苦悩の日々編---
某月某日
「ボク今晩の飛行機に乗るから」と通算345回宣言しながらガンガン電話してくる某翻訳事務所経営L氏のインストラクションに従い、朝からメシ食う暇もなくコキ使われる私。こういう時に限って歯がチョー痛いのは、台湾独立派と駐在奥の呪いか。
終業前1時間半、最後のドタン場になって急遽2ページの翻訳。ヒー。イヤ今やんなくてもいいんだけど、ここで終わらせればL氏が旅立つ前に彼からクライアント様に送らす事が出来るとタダそれだけのために、疲れ果てたボロ雑巾のような体にムチ打ちつつ必死で間に合わせたのは嗚呼、ただただウチのプリンターが使えないためであった。
仕事終わって家に帰りウキウキ旅支度をしている筈のL氏からダメ押しのメール。「○○案件、クライアントOK、至急確認されたし」
痛くない方の歯で何とか無難なモノを食しつつ、その後もよくワカラン事でメール3往復。最後はこちらからの問合せであったのだが、それに返事が来ないところを見ると、ついに時間切れとなり予定通り空港に向かったと思われる。問合せの件は急遽忘れ、ひとまず安堵。よっしゃあ。
某月某日
確か「旅行中は連絡つかないから」と言っていた筈のL氏からまたもやメール。どっから打ってんだか。見れば、私の問い合わせに軽く1行で答えた後、ナニヤラ見覚えのないファイルが添付されている。メールをよく読むと、私とは何の関係もない仕事の文書ファイルを、翌日別件で事務所に行く(かもしれない)私に、フロッピーに保存の上、持参してほしい様子。しかも朝イチ。
ダメ押しでに「1時間以内に確認の返事請う」と書いてあったようだが、見なかった事にしてサクっとメールを閉じる。
某月某日
朝っパラからジョン・フォックスの「長距離電話(long distance)!」と怒鳴る声にタタキ起される。そう言えば、長距離電話のイギリス英語表現とアメリカ英語表現の違いが事件解決のヒントとなった有名な推理小説があったななどとドーデモいい事を考えつつ、稼動力0.03%の脳ミソで電話に出る。案の定L氏である。
何はともあれ、相変わらずアイソのいい彼の話を聞くと、朝イチでなくてもいいようだ。依然として私には何の関係もない仕事には変わりないのだが、私も取り合えず彼の事務所に用があるため、「午後ならいいよ」と快く引き受ける。ナンだカンだ言って、私も彼が好きなのである。
昼頃のフェリーに乗り、街へ。まっすぐ事務所に向かうと、話に聞いていた通り留守を与るナゾのおじさんがいる。相変わらず華人商売の会社の人物構成はいつ見ても不可解。この人はとてもいいオジサンなので、L氏が語っていた彼の人物評はあえて避けるが、行けばソコにある筈の書類が全く見つからず、これまたナゼか事務所でパソコンをいじっていたナゾの青年と計3名で右往左往する。
本来なら、その足で某政府ビルにて翻訳の「declaration(以下「宣誓」とする)」をする運びであったのだが、手持ちの書類では余りに不安なため、いったん諦め、今日郵送でウチ(注:離島の南Y島という所デス)に届いている筈の書類を確認のため帰宅。ハルバル帰ってきた私を迎えたものは、ポストに差し込まれたばかりの正にソノ書類であった。
再びフェリーに乗り、中環にトンボ返り。船中でガシガシとまとめておいた書類をひっつかみ、本日の宣誓の最終回に何とか間に合わせる。L氏が用意しておいた、某超大手法律事務所の宛先シールが貼ってある封筒に無造作にツッ込み、同ビル内にある郵便局から投函。一瞬切手代のレシートを貰おうと思ったが、疲れ果てていたため、私費で払ったカネはドブに捨てることにする。
某月某日
もう一件クライアントに連絡しねえといけねんだよなナドと思いつつも、昨日の2往復が寄る年波にコタえていたため、朝起きてメシ食った後、軽く横になる。が、しばし後、またもやジョン・フォックスにタタキ起こされる。事務所の留守番氏からであった。聞けば、要領は得ない物の、昨日私費にて投じた書類にナニヤラ不備があった様子。何はともあれ、ご立腹らしきクライアント様に直接電話する。いない。メシ時か。大至急じゃなかったのか。メッセージだけ残し、待機状態に入る。
クライアント様から電話。どうも、昨日やったばかりの宣誓は、一つではなく二つに分けて欲しかったらしい。アタシ知らないって、そんなの。ソレ完全に事務所の手落ち。しかしハルか彼方のL氏に抗議している暇はない為、某超高級ビル内にある相手先事務所まで大人しく書類を引き取りに行く事にする。またフェリーに乗らなくてはいけないのは、言うまでもない。
ウス汚れた身なりで、高級事務所の高級弁護士様と面会。マジメそ~な、カタそ~な女性である。どうもソコの事務所とL氏の事務所の間で連絡不行き届き(今作った言葉です)があったらしくアヤシまれるが、ウス汚れた身なり自体は全く気にされる事がないのが香港のいい所。私も香港人になりきり、チョーシよく「も一度行ってきます~」などと言い残し、問題の書類、そして実は相手先に送ってはいけなかったのに、知らされていなかったため昨日間違えて一緒に入れてしまった別の書類を、何クワぬ顔でシュッと奪い取って、笑顔で引き上げる。取り合えず今日はもう宣誓は間に合わないので、まっすぐ帰宅。
帰るとL氏からの電話留守録2件、そして「最重要」のマークがついたメール3本が届いている。「じゅんこ、クライアントには会わなくていい、まっすぐウチの事務所に行ってアレしてコレして(以下略)」
...どうもちょっとヤバかったらしい。「既に会ってしまったが大丈夫だ、心配するな」と返事を出す。どっちみち私にフリかかってくる責任は一切ないのだが、やはり私は彼が好きなのである。
某月某日
前日電話しておいた、また別の超大手法律事務所に朝向かう。実は私は普段は、もらった文書に相手先が書かれていない限り、その先のクライアントの名を知る事はめったにない。下請け翻訳ワーカーに出し抜かれて客と直接交渉されるのを回避するためのL氏のヌカリない戦略であると思われるが、私も、ソレでなくてもヤヤこしい問題が多い法律案件で口から生れてきたよな精鋭弁護士集団が跋扈する事務所や、どーしよーもなくなってからそのテの事務所に駆け込んで大金注ぎ込む日本人エンドクライアントと関わり合いになるのはマッピラごめんなので、たとえ賃金は激安でも今の状態に満足している(多分)
しかし今回、置屋のヤリ手婆の如きL氏が留守という不慮の事態につき、日頃は名前も知らぬ中間クライアント様に直接お会いせねばならぬ私であった。たまにはいいかも。どうせヘンなカッコで行くし私。
お会いしたのは大手法律事務所その2で研修中の若手女性弁護士。北米系の淀みない英語を駆使する、明るく感じのいい若い人である。和やかに話を終え、渡された書類を手に、また印刷のためにだけL氏の事務所に向かう。「ヤッホー」などとミョーに浮かれながら入って行く私を迎えたのは、前述の留守番氏およびモノモノしい顔つき&堂々とした体躯の男性3名。ナント前日、事務所にドロボーが入ったそうである。ガタイのいい3名氏は皆、私服警官であった。
「ひょええええ」と驚きつつも、実地検証するでもなく何事か広東語で話し合う彼らをヨソ目に、サッサと自分の用だけ済ます。ホトケ心で、ドアが壊されているため昼メシに行けない留守番氏の代わりに、少しだけ事務所でお留守番してあげる。
午後2時過ぎまで待ち、昨日差し戻しされた書類のもう1件の宣誓を無事済ませる。本来ならそのままL氏の事務所にそれを置き去りにしてもよいのだが、翌日が祝日であること、事務所が災難にあったこと、そして大手法律事務所その1のマジメ弁護士女史が翌週から香港にいないと言っていた事を考慮し、本人に直接届けに行く。
昨日と全く同じ服装で、昨日より3割増しウス汚れた私の身なりは意に介せず、ワザワザ届けに来た私に感謝し、生まれつきと思われるカタ苦しいマジメな顔つきを思わずほころばせた女史の笑顔を見て、私もシアワセな気分になる。
...いつまで書いてんだアタシ。そうなのよ、実は今日もこれから、出かけなくてはならん。本来ならばこの後、「それでは今日のヘッドラインです」に続けてニュースの話になるのだが、それはまた帰ってきてからやろう(多分) あああL君、早く帰ってきてぇ~~~