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FOX新聞館ブログ版             香港・台湾・中国 NEWSコラム+不謹慎発言

Re: 哀悼 梅艶芳

2003-12-31 23:55:00 | [ML] china-ml
梅艶芳が最後に人前に出たのは、1か月ほど前、日本でCM撮影を
した帰りだったそうです。最後の最後まで、プロ意識に徹した人
でした。大阪と京都、遊楽さんのすぐそばまで来ていたんですよ。
本人が亡くなった今、CMが予定通りにオンエアされるかどうかは
分りませんが、彼女が好きだと言っていた国、日本のファンにも
もう一つ思い出を残してくれました。

梅艶芳がガンなのは、みんな知っていたけど、余りに急な訃報に
声を失いました。何と惜しい人を亡くしたことか。彼女のように
他の誰にも替え難い人が亡くなり、自分が何事もなく生きている
なんて、申し訳ないとさえ思います。



今年の香港は、大事な人を次々と失いました。張國榮、梅艶芳、
SARSとの闘いと、惜しみない献身で、自ら病に倒れていった医療
スタッフたち。その度に、大きな衝撃と悲しみに打ちひしがれる。

香港というのは、要は、小さな中国の一地方都市です。狭い所に
びっしりビルが建っていて、その狭い中にまた、ぎっしりと人が
住んでいる。休みになっても、ロクに行く所もない。家にいても
やっぱり部屋の中には家族がいっぱい、女の子を好きになっても、
独立してカネを稼がない限り、デートも満足に出来ない。そんな
所です。なので現実離れしたアクション映画、夢のようなスター
が生まれたのは、本当によく分かります。そんな、逃げ場もない
ような狭くササヤカな街に、今年は本当に次々とショックが訪れ
ました。胸が詰まる思いでした。

しかし、それにも増して強い衝撃を受けたのは、香港というのは
決して、それだけでは終わらない所だという事です。大事な人を
失ったショックから間もなくすると、どこからともなく「蘇ろう」
とする反動の波が押し寄せてくる。残った自分が出来る事って何
だろう、失った人の分は自分がやらなくては。泣いていても何も
変わらない、立ち上がろう、出来ることはやろう、何があっても、
いつかは必ず乗り越えてみせる。




何だか、余りにキレイ事でクサくて、うまく表現できませんけど、
本当この通りの一年でした。周りの香港人を見ても、相変わらず
飄々として、カネの事しか考えてないように見えるんだけど(笑)
でも、香港のどこかに、この、奇蹟を呼ぶ、大きな力が根付いて
いるのです。ここはつくづくスゴイ所だなあと、改めて思い知ら
されました。

梅艶芳も、香港にこの大きな力の源を与えてくれた、かけがえの
ない人の一人でした。ありがとう、Anita。

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Junko FOX

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