フォックス@香港です。秋田さんと新井さんのコンビって
面白いですぅ~(多くは語らず) 友情...?
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Subject: [china:1703] Re: シンガポール紙『Straits Times』特派員を拘束
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> On Tue, 31 May 2005 11:00:57 +0800
> "Junko FOX" さん wrote:
> Subject: [china:1702] Re: シンガポール紙『Straits Times』特派
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> > 昔「フィリピンの永住権は日本円で80万程度で取れる」と聞いた
> > 事があるのですが違法なのか合法なのか、それともガセネタなのか。
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香港は、永住権を取るのは他の地域と比べると破格に容易ではあるんですが、結婚だけでは「永住」は無理。最初は「居住権」ですね。就労は、相手が香港永住民(外国人も含む)であれば「扶養家族ビザ」の資格が取れ次第、すぐ出来るようになります。就労可能なビザのカテゴリーは:
1 就労ビザ(駐在員は普通これ)
香港で登記された特定の企業の将来的雇用者(「将来的」というのは、ビザを取得するまでは就労できないため仮に決まった時点で申請するという建前)に対して発行されるビザ。その企業での雇用に対してのみ発行される為、転職したら、一からビザの取り直しになるのですが、実際にはビザの残存期間中に別の会社で働くケースも。当然、違法。7年経って永住権を申請する時に泣きを見る事になります。まあ、それ以前に申請さえもしないで観光や出張と称して入国しているのに、実際には就労(+脱税)するケースも横行していますが。観光でも3か月滞在できる日本人にも、このケースが少なくないようです。またAPEC加盟国・地域住民を対象とする「ビジネスビザ」は、所謂マルチビザと同じで出張族むけ。就労は出来ませんが、香港滞在が一定期間を上回ると「仕事」と見なされ課税対象になるらしい。
2 投資ビザ
これは本来、事業を営む企業家向けでしたが、現在は投資移民ビザの導入により、650万香港ドルを越える投資があればほぼ取れるようになりました。昔は確か(将来的な)事業計画書を提出したりして、かなり大変だった筈ですが、最近は、この額を上回るマンション買っただけの人なんかにも許可が下りてるみたいです。えー投資? そっか(^^;まあ、ぶっちゃけた話、金さえあれば居住権(+その先の永住権)が取れるようになったと考えていいかと思います。類似のシステムを導入している海外各地と比べると必要な投資額は少ない方らしい(という話。縁がないので知らん)
3 扶養家族ビザ所持者の一部
香港の永住権を持つ市民の扶養家族(親・子・配偶者のみ)或いは上の1と2の扶養家族に対して発行されるのが扶養家族ビザ。前者は資格を取ればすぐに就労及び投資活動が可能になります。後者は数年前まで就労も、それどころか就労ビザを取った配偶者には認められていない投資活動も合法的に出来たため、よくビザの「裏技」として使われていたのですが、現在は就労・投資ともに不可、居住権のみ。
で、以上3つのカテゴリーで合法的かつ継続して香港内に7年間(途中6か月以上不在にしない状態)住むと今度は永住権(Right of Aboard、入国を拒否されない権利の意。上陸権とも)の申請資格が出来ます。返還前の名残だった「無条件資格ビザ」は現在撤廃され、7年経過したら直接永住権の申請をして、資格を取得したら、18歳以上なら地区別選挙(立法会、区議会)の有権者登録をすることが出来ます。中国籍でない外国人の場合、継続して3年以上香港を不在にすると永住権は剥奪される為、厳密な意味で永住権ではありませんが、申請権を獲得するまでの途中の段階でも6か月も不在に出来る事もあり、事実上、外国に住みながら同時に取得する事も可能です。
なお、就学ビザ(留学生など)では全く就労は出来ません。また、いわゆる「アマさん(家政婦)ビザ」の方は就労は文字通り家政婦職のみ。気の毒な事に、7年間まっとうに働いて、何一つ悪い事をせず暮らしても、永住権の申請は出来ません。まあ普通は同じ雇用主の下で7年間アマさんやってる人もいないと思いますが(^^; ただ想像を絶して家事能力に優れた人も少なくないので、外国人の雇用主で気に入った人なんかは、帰国時に全て費用を負担してでも本国に連れて帰る人もいたりするので、別の将来(?)が開ける事も。諸所の事情で途中から扶養家族ビザに変わるケースもありますが「やはり」と言うべきか、偽装結婚を疑われ、東南アジアなどの出身の女性が不当に差別される事も少なくないようです。
ところで以上の件で例外と言えるのが、実は「中国人」の扶養家族なんです。中国内地籍の人ですね。中国人の場合、内地から香港に来る時点で、一日の上限が設定されているため、その許可が下りるまで数年待ち、ひどいと数十年も待っていたりして、結婚しても中々一緒に香港に住む事ができません。知り合いの日本人駐在員にも、結婚するまでそれを知らず、新婚なのに一緒に住めなくて泣いてた人がいました。
この「国内の夫婦親子別離」が返還の前後から数年前まで大変な問題になっていたんですね。香港の最高裁判所でも認め最終決定であった筈の権利が、中央政府の「解釈権」なるもので事実上くつがえされた事もあり、香港居住権を求める内地籍の子女(と言っても上記の数十年待ちにより既に大人になっている人が殆ど)と当局の間で膠着状態が続いた末期には入管当局の審査官と要求グループ各一名が死亡する惨事となった放火殺人事件にまで発展したこともあり...いつまで書いてる、私。スイマセン。昔ビザの代行やってる法律事務所の翻訳よくやってたもんで、つい。
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Junko FOX
面白いですぅ~(多くは語らず) 友情...?
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Subject: [china:1703] Re: シンガポール紙『Straits Times』特派員を拘束
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> On Tue, 31 May 2005 11:00:57 +0800
> "Junko FOX" さん wrote:
> Subject: [china:1702] Re: シンガポール紙『Straits Times』特派
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> > 昔「フィリピンの永住権は日本円で80万程度で取れる」と聞いた
> > 事があるのですが違法なのか合法なのか、それともガセネタなのか。
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香港は、永住権を取るのは他の地域と比べると破格に容易ではあるんですが、結婚だけでは「永住」は無理。最初は「居住権」ですね。就労は、相手が香港永住民(外国人も含む)であれば「扶養家族ビザ」の資格が取れ次第、すぐ出来るようになります。就労可能なビザのカテゴリーは:
1 就労ビザ(駐在員は普通これ)
香港で登記された特定の企業の将来的雇用者(「将来的」というのは、ビザを取得するまでは就労できないため仮に決まった時点で申請するという建前)に対して発行されるビザ。その企業での雇用に対してのみ発行される為、転職したら、一からビザの取り直しになるのですが、実際にはビザの残存期間中に別の会社で働くケースも。当然、違法。7年経って永住権を申請する時に泣きを見る事になります。まあ、それ以前に申請さえもしないで観光や出張と称して入国しているのに、実際には就労(+脱税)するケースも横行していますが。観光でも3か月滞在できる日本人にも、このケースが少なくないようです。またAPEC加盟国・地域住民を対象とする「ビジネスビザ」は、所謂マルチビザと同じで出張族むけ。就労は出来ませんが、香港滞在が一定期間を上回ると「仕事」と見なされ課税対象になるらしい。
2 投資ビザ
これは本来、事業を営む企業家向けでしたが、現在は投資移民ビザの導入により、650万香港ドルを越える投資があればほぼ取れるようになりました。昔は確か(将来的な)事業計画書を提出したりして、かなり大変だった筈ですが、最近は、この額を上回るマンション買っただけの人なんかにも許可が下りてるみたいです。えー投資? そっか(^^;まあ、ぶっちゃけた話、金さえあれば居住権(+その先の永住権)が取れるようになったと考えていいかと思います。類似のシステムを導入している海外各地と比べると必要な投資額は少ない方らしい(という話。縁がないので知らん)
3 扶養家族ビザ所持者の一部
香港の永住権を持つ市民の扶養家族(親・子・配偶者のみ)或いは上の1と2の扶養家族に対して発行されるのが扶養家族ビザ。前者は資格を取ればすぐに就労及び投資活動が可能になります。後者は数年前まで就労も、それどころか就労ビザを取った配偶者には認められていない投資活動も合法的に出来たため、よくビザの「裏技」として使われていたのですが、現在は就労・投資ともに不可、居住権のみ。
で、以上3つのカテゴリーで合法的かつ継続して香港内に7年間(途中6か月以上不在にしない状態)住むと今度は永住権(Right of Aboard、入国を拒否されない権利の意。上陸権とも)の申請資格が出来ます。返還前の名残だった「無条件資格ビザ」は現在撤廃され、7年経過したら直接永住権の申請をして、資格を取得したら、18歳以上なら地区別選挙(立法会、区議会)の有権者登録をすることが出来ます。中国籍でない外国人の場合、継続して3年以上香港を不在にすると永住権は剥奪される為、厳密な意味で永住権ではありませんが、申請権を獲得するまでの途中の段階でも6か月も不在に出来る事もあり、事実上、外国に住みながら同時に取得する事も可能です。
なお、就学ビザ(留学生など)では全く就労は出来ません。また、いわゆる「アマさん(家政婦)ビザ」の方は就労は文字通り家政婦職のみ。気の毒な事に、7年間まっとうに働いて、何一つ悪い事をせず暮らしても、永住権の申請は出来ません。まあ普通は同じ雇用主の下で7年間アマさんやってる人もいないと思いますが(^^; ただ想像を絶して家事能力に優れた人も少なくないので、外国人の雇用主で気に入った人なんかは、帰国時に全て費用を負担してでも本国に連れて帰る人もいたりするので、別の将来(?)が開ける事も。諸所の事情で途中から扶養家族ビザに変わるケースもありますが「やはり」と言うべきか、偽装結婚を疑われ、東南アジアなどの出身の女性が不当に差別される事も少なくないようです。
ところで以上の件で例外と言えるのが、実は「中国人」の扶養家族なんです。中国内地籍の人ですね。中国人の場合、内地から香港に来る時点で、一日の上限が設定されているため、その許可が下りるまで数年待ち、ひどいと数十年も待っていたりして、結婚しても中々一緒に香港に住む事ができません。知り合いの日本人駐在員にも、結婚するまでそれを知らず、新婚なのに一緒に住めなくて泣いてた人がいました。
この「国内の夫婦親子別離」が返還の前後から数年前まで大変な問題になっていたんですね。香港の最高裁判所でも認め最終決定であった筈の権利が、中央政府の「解釈権」なるもので事実上くつがえされた事もあり、香港居住権を求める内地籍の子女(と言っても上記の数十年待ちにより既に大人になっている人が殆ど)と当局の間で膠着状態が続いた末期には入管当局の審査官と要求グループ各一名が死亡する惨事となった放火殺人事件にまで発展したこともあり...いつまで書いてる、私。スイマセン。昔ビザの代行やってる法律事務所の翻訳よくやってたもんで、つい。
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Junko FOX