ワールド・カップ王者に新たな勲章
過去13回の出場中グループ・リーグ敗退は1回、4位3回、3位5回、2位4回と云う成績で、あと一歩と云うところが壁になっていたこのアジア・カップ。「なでしこ」という呼称が採用されたのが2004年の事。以来この大会では4・3・3位と成績面では「なでしこ」の呼称が付く前よりやや見劣りがしていました。ワールド・カップで見てみると6回出場していて、記憶に新しい2011年の優勝を除くと、1995年のベスト8が二番目で残り4回は何れもグループ・リーグ敗退と云うチームでした。しかしオリンピックとなると少々話しが変って来て‘96.アメリカ大会ではグループ・リーグ敗退、‘00.アトランタは予選敗退も‘04.アテネではベスト8、‘08.の支那では4位、そして‘12.ロンドンでは準優勝と次第に成績が上がってきているのです。
この傾向をまとめると、2004年を境にワールド・カップを除くと上昇気配が覗えるのです。(ただし、2011年は優勝をしているのでこれが「なでしこ」ブームを巻き起こした元にもなっています)。初参加となった第18回以降のアルガルベ・カップを見てみると3位、準優勝、5位、準優勝となっています。準優勝したのは2012年と2014年の事で、メンバーの推移を見ていくと、どうやら2010年を過ぎた辺りから現在の『なでしこのなでしこらしさ』が出来始めていた様にも思えます。 2013年の5位というのは多分にメンバーの選出と起用法に誤りが有った為でしょう。
勿論、それ以前からの代表選手もいます。つまりその辺りが「なでしこ」の存在感を窺わせ始める過渡期に当るのではないか…という事です。「なでしこジャパン」の呼称が付く前からも「日本代表」と呼ばれ、女子フット・ボールは在ったのですが、それ程陽の目を見ていたという存在では無かった様に記憶しています。ですので、現在の「なでしこ」を敢えて『なでしこ第一世代』と呼びたいですね。今回のこのアジア・カップ、海外組を招集出来ず、『なでしこ第二世代』とでも呼ぶ様な顔触れとの混成チームとなり、言い様の無い期待と不安の中で全試合を観ていました。色々と問題を抱えてはいるのですが、皆さんよくやって下さいましたね。何しろワールド・カップ優勝の力量を裏付ける「優勝」で幕を閉じてくれたのですから。
試合終了後のインタビューで既に「次はワールド・カップ」と目標を立てていて、きっぱりと言い切ってくれた事に頼もしさを感じました。大会MVPには宮間あやが選ばれ、フェアプレー賞に日本が選ばれたのも納得のいくところ。世界中誰もが認めるところでしょう。同じ日本人として誇りに思います。
この先は…と云うと、9/13.にワールド・マッチ。9月中旬~10月上旬に掛けて第17回アジア競技大会、そして10月下旬にはカナダへの海外遠征が待っています。その時の招集選手の顔触れが気になりますが、今から心配しても始まらないのでなるべく考えない様にしておきます。
…が、これだけは書き残しておきたい。ワールド・カップを念頭に置くなら有吉は要らない。ディフェンスの穴でしか有りません。一本調子で決定力に欠ける高瀬も、足を引っ張るだけの中島も不要。海外組から誰が参加するのかは判りませんが、少しづつ層が厚みを帯びてきている今の「なでしこ」で必要不可欠なのは、川澄奈穂美・宮間あや・岩清水梓・坂口夢穂、それから…澤…という事になるのでしょうか。ベンチにいて、いいムードを作ってくれれば(いい意味で)それだけでも存在価値は有りますからね。
(補足) マティルダ…とは、オーストラリア(女子)の事。
「なでしこ」は、これを真似たとも言われています。
取り敢えずはゆっくりと休息して下さい。
「なでしこ」の皆さん、おめでとうございます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます