この一年「なでしこ」が、それ迄認知度と人気の低かった女子サッカー界を盛り上げ、異常とも思える程の急激な俄かファンを生み出し、定着させるのに成功させました。ロンドン・オリンピックでの銀メダルがその最高潮で、年齢的にこれからの選手の新陳代謝はどうなるのか・・・が、A代表「なでしこ」の課題でした。これはどんなスポーツ競技に於いても共通する問題ですよね。しかし、日本サッカー連盟(協会?)は既に何年も前から手を打っていて、それが今名実共に実を結び始めていたのです。
U-15,U-17,U-20と、日本のサッカー界を担う若い世代の育成に力を注いでいてくれたのです。只これ迄「なでしこ」が成果を上げる迄は、さほど取沙汰される事も無く一部のファンの間で話題になっていたという程のものでした。それでも現U-20がU-17だった頃の二年前には、既に結果を出し始めていたのです。田中陽子・猶本光・田中美南・浜田遥たちがその世代です。
見事花開いてくれています。日本のU-20ワールドカップ史上初のベスト4に入ったのです。勿論ここが最終目標では有りませんが、お姉さん「なでしこ」ですら為し得なかった事をやってのけたのですから、やはり将来を嘱望しないではいられませんよね。それにタイミングもいいですよね。前述した様にお姉さん「なでしこ」は選手の入れ替わりが必須事項として、大きな課題を抱えているのです。例えば気の早い話しですが、次回のオリンピックで考えてみると、現在の主力である福本・近賀・安藤・宮間・川澄・大野選手達は、みんな揃って30歳を超えていて、戦力評価としてはどうなのか・・・という思いが走ります。つまり「なでしこ」の国際試合はもう殆ど終末期にあると考えられなくもないのです。勿論国内の「なでしこリーグ」では活躍をしている選手もいる事でしょう。ドイツへ戻った安藤梢さんなどは現役を引退して元の筑波大学同大学院・人間科学研究科・博士後期課程に戻るでしょうね。
その様に諸々の事を考えると、オリンピックを銀メダルで終った後の、現在行われているU-20ワールドカップで「ヤングなでしこ」が結果を出している事は、とても明るい話題であり展望であると言えるでしょう。
そしてそこに登場してきたのがスーパー・ガール田中陽子だったのでした。vsメキシコ戦、vsニュージーランド戦で1ゴールづつ、vsスイス戦ではご承知の通りフリーキックを左右の足で決めて2ゴール、そして朝鮮戦で1ゴールを決め合計5ゴール。1大会5ゴールというのは日本タイ記録になります。このまま残り二試合突き進めば、日本新記録も夢では有りません。田中陽子自身も「狙っています」と断言しているので、かなり期待できると思います。みんなそれを望んでいますよね。驚くべきは彼女の運動量です。157cm・47kgとは思えない程タフなのです。このタフさはもしかしたら川澄奈穂美を上回るかも知れません。基本MFですがどのポジションも熟せるみたいですね。田中陽子と共に大きな期待を持てる選手が猶本光。予知能力とも言える程のセンスの良さは田中陽子に引けを取っていません。実質上「ヤングなでしこ」の司令塔と言ってもいいかもしれません。
この「妹分なでしこ」、将来的にはかなり期待が持てるチームになるでしょう。ただ、小柄な選手が多いのでそこをどの様に克服していくかが、一番の鍵となりそうです。でも、技術的な面では既に世界で通用する力を兼ね備えています。これからの「ヤングなでしこ」からは目が離せません。しかし、先ずは取り敢えずの事としてU-20ワールドカップでその力を発揮しきる事です。そして日本サッカーの記録をどんどん塗り替えていって欲しいものです。応援しましょう。
頑張れ、ヤングなでしこ !!!
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