初めての川平
観光パンフレットでしか見た事がない噂の川平へやって来た。バス停で出発を待つ間、そしてバスに揺られている間も、何故か私は高揚していた。未だ見ぬ八重山の不思議な魅力の一端に惹き込まれているかの様だった。そしてそれは正にその通りだった。
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そう、正に信じれない美しさ、その光景。潮の流れと太陽との微妙なコンビネーションに依り、分刻みで海の色が変化する。こう言っても、それは決して過言ではない。白保同様、ここもまた何の予備知識も無く、
「一度は行ってみたら?」
と言われるままに、フラリとやって来た。
ガイド・ブックを念入りに読んでからの出発もそれなりの利点は有るが、案外こうした『いきなり』の訪問も時には良いものなのかも知れない。ここにはそれを演出して余り有る驚異の美が在る。薄汚れた都会の感性など、この川平では跡形も無く消し飛んでしまう。私はこの地を教えてくれて行く事を薦めてくれた人に、多大なる感謝の念を抱かねばならないであろう。
この川平を、もしも言葉で書き留めようとするならば、私のペンは紙面の上に止まったまま走り出せなくなるだろう。言葉では、文字では換言出来ないのだ。敢えて言葉を使うなら歓喜の一声「ステキだ」「素晴らしい」などの一言で充分なのかも知れない。だから誰かに伝えるならば、「一度は行ってみなさい」か「本当にいい所だよ」で済むのかも知れない。そう、川平ってそういう所なのだ。
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