残照亭の日日

残り少ない日々、自分の日常や古い話などを時々書きます。
故「藤沢周平」のファン。思い出の作品などを書いてます。

小二の時に「老後は大丈夫だから」と言った先生

2023-08-27 | 日記

私の小学校時代は、まだ戦後が色濃く残っていた頃

廊下を走ると、特攻隊帰りの先生に革のスリッパで、ビンタされた。

親に話すと「お前が悪い」と言われる。

そんな小学校二年生の時、魔法使いとあだ名された女先生が、

みんなの手相をみてくれた。

「あらお嫁さんになれるわよ」「働き者だね」などなど・・

そして私の手相を見たとき、顔色を曇らせ

「苦労するけど、老後は安心だから」と言って、そそくさと私の元を離れた。

当然、その時の私には「老後」は想像の外である・が、この「老後は安心だか

ら」という言葉は、私の人生で魔法のような効果を発揮したのである。

"つらい時""仕事に行き詰ったとき""人間関係が上手く行かなかった時"

様々な場面で「今は大変だけど『老後は安心だから』」と自分に言い聞かせる

呪文になったのである。不思議と危機を乗り越える効き目はあった。

だが、ここに来て大いなる疑問が・・・

「老後」とはいつのことを言うのか

「老いた後」とは、後期高齢者の私は老いの真っ最中である。

「余生」なら分かりやすいが、「「老いた」・「後」」の「後」とは

天国か地獄しかないではないか。

てなことを酒の肴に友人に話したら

「きっと、地獄に行っても血の池の番人になるとか、天国に行っても何かの

管理人になっているとか、じやないのか」と。

う~ん、わからない。

魔法使いの先生よ、苦労が続いている私は、まだ老後ではないのだろうか?