jykell7引越し先

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リヴァイバル~第3話~

2005-11-15 03:01:14 | ノンジャンル
しばらく呆然とその剣を眺めながらしばらく離れていたこのアデン世界のことを考えていた。
思い当たる節があった。竜が弱体化されたのかもしれない。
このゲームではラスボス的存在であり、同時に絶対、倒されてはならない存在、火竜ヴァラカス。かつてのゲームバランスでは精鋭200人くらいで挑んでも何度も全滅を喫していた。ところが本場の韓国でバグを悪用した裏業でわずか50人のナイト達に倒されてしまい、急遽、日本サーバーでもその存在が凍結されてしまった伝説の巨大な竜。そのレアドロップ品がツルギ、だった。 
しかし、そんなものが共有倉庫に入っているということは・・・・・。俺は少し悲しくなった。みんな、ほんとうに帰ってこないんだな・・・。かつて30人以上の仲間達がこのアジトに集まり、夢のように楽しかったあの日々はもう帰ってこない。
毎月、75000のアジト使用料は誰が支払っているのだろう。
まぁ、俺だって度重なる戦争と火竜に特攻する毎日で、49あったレベルが41までダウンし、夢も希望も破れてFFに逃げ出したくちだから、人のことは言えないが・・・・。
床に散らばった便箋を拾い上げて読んでみる。 俺の知らない名前のLSメンバーだ。
「またしばらくU・Oの方へ旅に出ます。リネのこの家は財産の続く限り維持します。資金の余力のあるメンバーは協力願います。」 
ログイン時間制課金コースのあるリネージュでは半年に五分でもインしてればキャラを維持するのは簡単なことだ。 
しばらく他のMMOへ遊びに行っては時折フラっと帰ってくるプレイヤーも多い。

「閣下、しばらくの間、お借りしますよ・・」 
誰もいないアジトで俺は一礼して自分のカタナ+6とツルギ+7を換装した。
もし、チンピラどもになぶり殺しに会い、俺が死んだらこの剣があいつらの手に渡ってしまう事もあり得る。 それだけは絶対に避けなければ・・

街をでるとすぐにサーチ。ほどなくして奴らは見つかった。
PK略奪LS【SKT豆腐屋】
・・・ふざけた名前だ。こいつらの悪行三昧でこのサーバーには一般プレイヤーも来たがらなくなった。増してや、初心者など、すっかり寄り付かなくなってしまった・・・・GM? あんなものが役に立たないのはどこもいっしょだ。【プレイヤー間の問題は各自で解決・・云々】 
・・・くそくらえ、だ。

俺はインビジリティクローク(透明マント)を羽織ると静かにやつらの縄張りに近づいていった・・・・

====つづく====