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口語訳『荀子』不苟篇第三

2020-08-11 10:24:06 | 漢文
不苟篇第三

君子は困難に立ち向かうことを尊ばず、弁舌が明察であることを尊ばず、名声が広く伝わることを尊ばない。ただ礼儀に適っていることを尊ぶのである。だから懐に石を抱いて黄河に身を投ずるのは、為し難い行いであり、殷末の申徒狄は紂王の暴虐に抗議してそれを実行したが、君子がこれを尊ばないのは、礼儀に基づいた行いでないからである。山や淵は平らかであるとか、天と地とは同じであるとか、東の齊と西の秦とは同じ場所にあるとか、釣り針にえらがあるとか、卵に毛があるとかの詭弁は、普通の者には理解し難い理屈であるが、惠施や鄧析はこの詭弁を巧みに操る。しかし君子がそれを尊ばないのは、礼儀に適っていないからである。盗賊の盗跖は古来より語り継がれ、その名声は太陽や月の如く遍く知られ、聖王の舜や禹と共に後世に伝えられ消えることはない。しかし君子が盗跖を尊ばないのは、礼儀に外れているからである。だから、「君子は困難に立ち向かうことを尊ばず、弁舌が明察であることを尊ばず、名声が広く伝わることを尊ばない。ただ礼儀に適っていることを尊ぶ。」と言ったのである。『詩経』小雅の魚麗篇に、「善い物は数多くあっても、時宜に適ったものでなければ善いものとはいえない。」とあるのは、この事を言っているのである。
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