「押川曠」編纂による名探偵「シャーロック・ホームズ」と同時代のミステリを厳選したアンソロジー作品『シャーロック・ホームズのライヴァルたち②(英題:The Rivals of Sherlock Holmes[2])』を読みました。
『シャーロック・ホームズのライヴァルたち①』に続き、名探偵「シャーロック・ホームズ」と同時代の探偵小説を当時の雰囲気を感じながら愉しんでいます。
-----story-------------
19世紀末から今世紀初頭は、「シャーロック・ホームズ」に代表される名探偵の黄金時代である。
前巻に引き続き、今なお新鮮な魅力を失わない13篇を収録。
当時のロンドン子の胸を高鳴らせつづけたヒーロー、「セクストン・ブレイク」、「怪盗スマイラー・バン」、今日でもその名を知られる東洋の「怪人フー・マンチュー博士」、「四十面相のクリーク」など、名探偵が名探偵であった時代の息吹を感じさせる名品を揃えた珠玉の短篇集。(全3巻)
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1974年(昭和49年)から1976年(平成51年)に早川書房が発行する『ミステリ・マガジン』に断続的に掲載された『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』を母体として1983年(昭和58年)に文庫化されたシリーズの第2作です、、、
名探偵「シャーロック・ホームズ」誕生の1891年から、第一次世界大戦が勃発する1914年の探偵小説創成期の埋もれた作品から以下の13篇が収録されています。
■1 絞首刑綺譚 (イズレイル・ザングウィル)
(Cheating the Gallows)
■2 <セクストン・ブレイク>
死者の目の謎 (作者不詳)
(The Clue of the Dead Eyes)
■3 <ホレース・ドリントン>
日本古美術収集家殺し (アーサー・モリスン)
(The Case of Mr. Loftus Deacon)
■4 <フラクスマン・ロウ>
スパニアード館物語 (E&H・へロン)
(The Story of the Spaniards, Hammersmith)
■5 <マダム・コルチー>
金庫室の怪 (L・T・ミード&ロバート・ユーステス)
(The Mystery of the Strong Room)
■6 <ビヴァリー・グレットン>
手がかりの指紋(ハーバート・キャデット)
(The Clue of the Finger-Prints)
■7 <セシル・サロルド>
百万長者の略奪 (アーノルド・ベネット)
(The Fire of London)
■8 <怪盗スマイラー・バン>
黄金のバナナ (バートラム・アトキー)
(The Adventure of "Fat-Headed Flood"
■9 <フー・マンチュー博士>
ザイヤットのキス (サックス・ローマー)
(The Zayat Kiss)
■10 <ジュディス・リー>
ただの偶然? (リチャード・マーシュ)
(Was It Chance Only?)
■11 <フィリップ・トレント>
いけない犬 (E・C・ベントリー)
(The Bad Dog)
■12 <四十面相のクリーク>
ライオンの微笑 (トマス・W・ハンシュー)
(The Lion's Smile)
■13 <シャーロウ・コームズ>
ペグラムの怪事件 (ロバート・バー)
(The Great Pegram Mystery)
■解説 押川曠
■出典一覧
第1作に続き、名探偵「シャーロック・ホームズ」シリーズと同時代に、こんなにバラエティに富んだミステリが発表されていたということに驚きつつ、愉しみながら読んでます… 簡単に概要を。
行方不明となった同居人の正体は!?… 珍しく探偵は登場しないのですが、仲が良いけど、全く異なる性格の同居人の関係性が明らかになる結末が秀逸な「イズレイル・ザングウィル」の『絞首刑綺譚』。
死者の顔が変化する!?… 変死体の謎を解くためインドまで飛び、現地人だけでなく猛獣や大蛇等とも格闘しながら「セクストン・ブレイク」が事件を解決する作者不詳の冒険活劇『死者の目の謎』。
日本の戦いの神ハチマン像の呪いか!?… 日本古美術収集家が殺害され、名刀マサムネが現場から消えていた事件を「ホレース・ドリントン」が解き明かす「アーサー・モリスン」の『日本古美術収集家殺し』。
まさか真相が幽霊!?… スパニアード館に現れる幽霊の正体を心霊研究家「フラクスマン・ロウ」が解き明かす「E&H・へロン」の『スパニアード館物語』。
見事な金庫破り… 特別金庫室に保管されている82カラットのオチヴィルの大ダイヤモンドを秘密犯罪結社・七王国の首魁「マダム・コルチー」が奪い去る「L・T・ミード」&「ロバート・ユーステス」の『金庫室の怪』。
残された指紋は意外な人物のものだった… 犯人が邸に侵入した際に残したと思われる窓際の指紋のトリックを「ビヴァリー・グレットン」が解き明かす「ハーバート・キャデット」の『手がかりの指紋』。
悪人を懲らしめながら金儲け… 詐欺的経営で不当な利益をあげていた会社経営者から「セシル・サロルド」が大金を奪い取る「アーノルド・ベネット」の『百万長者の略奪』。
「とんまフラッド」の正体は!?… 大変な食いしん坊でユーモラスで憎めない「怪盗スマイラー・バン」が百万長者から黄金のバナナを奪い去る「バートラム・アトキー」の『黄金のバナナ』。
ダイイングメッセージの"赤い手(ハンド)"とは!?… 世界征服をたくらむ悪魔博士(デヴィル・ドクター)「フー・マンチュー博士」が昆虫を使って暗殺を企てる「サックス・ローマー」の『ザイヤットのキス』。
偶然喫茶店で居合わせた男女の会話がきっかけに… 遺産相続に絡む殺人事件を聾唖学校の教師「ジュディス・リー」が読唇術を使って解き明かす「リチャード・マーシュ」の『ただの偶然?』。
愛犬の行動が真相究明のヒントに… 父親の邸に同行した友人二人のうちの一人がナイフで刺殺された事件の真相を「フィリップ・トレント」が解き明かす「E・C・ベントリー」の『いけない犬』。
人に慣れているライオンがなぜ!?… サーカスで飼われているおとなしいライオンに、芸人の少年が咬み殺された事件の真相を「四十面相のクリーク」が解き明かす「トマス・W・ハンシュー」の『ライオンの微笑』。
帰納的かつ演繹的な名推理(迷推理?)… 急行列車内で発生した殺人事件を「シャーロウ・コームズ」が解き明かす「ロバート・バー」の「ホームズ」パロディ『ペグラムの怪事件』。
第1作に続き、どの作品も想像以上にクオリティが高かったですね… 今回は、犯罪者側が主人公の物語や心霊モノもあり、バラエティが豊かでした、、、
嫌いじゃないですが、やはり探偵モノの方が好みなので、「イズレイル・ザングウィル」の『絞首刑綺譚』や「リチャード・マーシュ」の『ただの偶然?』、「E・C・ベントリー」の『いけない犬』、「トマス・W・ハンシュー」の『ライオンの微笑』あたりが印象的でしたね… 読みやすくて、手軽に愉しめる一冊でした。
『シャーロック・ホームズのライヴァルたち①』に続き、名探偵「シャーロック・ホームズ」と同時代の探偵小説を当時の雰囲気を感じながら愉しんでいます。
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19世紀末から今世紀初頭は、「シャーロック・ホームズ」に代表される名探偵の黄金時代である。
前巻に引き続き、今なお新鮮な魅力を失わない13篇を収録。
当時のロンドン子の胸を高鳴らせつづけたヒーロー、「セクストン・ブレイク」、「怪盗スマイラー・バン」、今日でもその名を知られる東洋の「怪人フー・マンチュー博士」、「四十面相のクリーク」など、名探偵が名探偵であった時代の息吹を感じさせる名品を揃えた珠玉の短篇集。(全3巻)
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1974年(昭和49年)から1976年(平成51年)に早川書房が発行する『ミステリ・マガジン』に断続的に掲載された『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』を母体として1983年(昭和58年)に文庫化されたシリーズの第2作です、、、
名探偵「シャーロック・ホームズ」誕生の1891年から、第一次世界大戦が勃発する1914年の探偵小説創成期の埋もれた作品から以下の13篇が収録されています。
■1 絞首刑綺譚 (イズレイル・ザングウィル)
(Cheating the Gallows)
■2 <セクストン・ブレイク>
死者の目の謎 (作者不詳)
(The Clue of the Dead Eyes)
■3 <ホレース・ドリントン>
日本古美術収集家殺し (アーサー・モリスン)
(The Case of Mr. Loftus Deacon)
■4 <フラクスマン・ロウ>
スパニアード館物語 (E&H・へロン)
(The Story of the Spaniards, Hammersmith)
■5 <マダム・コルチー>
金庫室の怪 (L・T・ミード&ロバート・ユーステス)
(The Mystery of the Strong Room)
■6 <ビヴァリー・グレットン>
手がかりの指紋(ハーバート・キャデット)
(The Clue of the Finger-Prints)
■7 <セシル・サロルド>
百万長者の略奪 (アーノルド・ベネット)
(The Fire of London)
■8 <怪盗スマイラー・バン>
黄金のバナナ (バートラム・アトキー)
(The Adventure of "Fat-Headed Flood"
■9 <フー・マンチュー博士>
ザイヤットのキス (サックス・ローマー)
(The Zayat Kiss)
■10 <ジュディス・リー>
ただの偶然? (リチャード・マーシュ)
(Was It Chance Only?)
■11 <フィリップ・トレント>
いけない犬 (E・C・ベントリー)
(The Bad Dog)
■12 <四十面相のクリーク>
ライオンの微笑 (トマス・W・ハンシュー)
(The Lion's Smile)
■13 <シャーロウ・コームズ>
ペグラムの怪事件 (ロバート・バー)
(The Great Pegram Mystery)
■解説 押川曠
■出典一覧
第1作に続き、名探偵「シャーロック・ホームズ」シリーズと同時代に、こんなにバラエティに富んだミステリが発表されていたということに驚きつつ、愉しみながら読んでます… 簡単に概要を。
行方不明となった同居人の正体は!?… 珍しく探偵は登場しないのですが、仲が良いけど、全く異なる性格の同居人の関係性が明らかになる結末が秀逸な「イズレイル・ザングウィル」の『絞首刑綺譚』。
死者の顔が変化する!?… 変死体の謎を解くためインドまで飛び、現地人だけでなく猛獣や大蛇等とも格闘しながら「セクストン・ブレイク」が事件を解決する作者不詳の冒険活劇『死者の目の謎』。
日本の戦いの神ハチマン像の呪いか!?… 日本古美術収集家が殺害され、名刀マサムネが現場から消えていた事件を「ホレース・ドリントン」が解き明かす「アーサー・モリスン」の『日本古美術収集家殺し』。
まさか真相が幽霊!?… スパニアード館に現れる幽霊の正体を心霊研究家「フラクスマン・ロウ」が解き明かす「E&H・へロン」の『スパニアード館物語』。
見事な金庫破り… 特別金庫室に保管されている82カラットのオチヴィルの大ダイヤモンドを秘密犯罪結社・七王国の首魁「マダム・コルチー」が奪い去る「L・T・ミード」&「ロバート・ユーステス」の『金庫室の怪』。
残された指紋は意外な人物のものだった… 犯人が邸に侵入した際に残したと思われる窓際の指紋のトリックを「ビヴァリー・グレットン」が解き明かす「ハーバート・キャデット」の『手がかりの指紋』。
悪人を懲らしめながら金儲け… 詐欺的経営で不当な利益をあげていた会社経営者から「セシル・サロルド」が大金を奪い取る「アーノルド・ベネット」の『百万長者の略奪』。
「とんまフラッド」の正体は!?… 大変な食いしん坊でユーモラスで憎めない「怪盗スマイラー・バン」が百万長者から黄金のバナナを奪い去る「バートラム・アトキー」の『黄金のバナナ』。
ダイイングメッセージの"赤い手(ハンド)"とは!?… 世界征服をたくらむ悪魔博士(デヴィル・ドクター)「フー・マンチュー博士」が昆虫を使って暗殺を企てる「サックス・ローマー」の『ザイヤットのキス』。
偶然喫茶店で居合わせた男女の会話がきっかけに… 遺産相続に絡む殺人事件を聾唖学校の教師「ジュディス・リー」が読唇術を使って解き明かす「リチャード・マーシュ」の『ただの偶然?』。
愛犬の行動が真相究明のヒントに… 父親の邸に同行した友人二人のうちの一人がナイフで刺殺された事件の真相を「フィリップ・トレント」が解き明かす「E・C・ベントリー」の『いけない犬』。
人に慣れているライオンがなぜ!?… サーカスで飼われているおとなしいライオンに、芸人の少年が咬み殺された事件の真相を「四十面相のクリーク」が解き明かす「トマス・W・ハンシュー」の『ライオンの微笑』。
帰納的かつ演繹的な名推理(迷推理?)… 急行列車内で発生した殺人事件を「シャーロウ・コームズ」が解き明かす「ロバート・バー」の「ホームズ」パロディ『ペグラムの怪事件』。
第1作に続き、どの作品も想像以上にクオリティが高かったですね… 今回は、犯罪者側が主人公の物語や心霊モノもあり、バラエティが豊かでした、、、
嫌いじゃないですが、やはり探偵モノの方が好みなので、「イズレイル・ザングウィル」の『絞首刑綺譚』や「リチャード・マーシュ」の『ただの偶然?』、「E・C・ベントリー」の『いけない犬』、「トマス・W・ハンシュー」の『ライオンの微笑』あたりが印象的でしたね… 読みやすくて、手軽に愉しめる一冊でした。
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