「島田荘司」の長篇ミステリ小説『斜め屋敷の犯罪』を読みました。
『東西ミステリーベスト100』の日本編で第21位となっている作品、、、
「島田荘司」作品は初めて読みます… 久しぶりの本格ミステリ作品ですね。
-----story-------------
空前絶後の密室トリック!
「御手洗潔」、第二の事件!!
これを読まずして「本格ミステリ」を語るなかれ!
北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館――通称「斜め屋敷」。
雪降る聖夜にこの奇妙な館でパーティが開かれたが、翌日、密室状態の部屋で招待客の死体が発見された。
人々が恐慌を来す中、さらに続く惨劇。
「御手洗潔」は謎をどう解くのか!?
日本ミステリー界を変えた傑作が、大幅加筆の改訂完全版となって登場!
解説=「綾辻行人」
-----------------------
1982年(昭和57年)に発表された作品で、「島田荘司」の代表作b>『占星術殺人事件』(残念ながら未読)に続く「御手洗潔」シリーズの第2作、、、
傾けて建てられた西洋館で起こる連続密室殺人をテーマとした作品で、のちの「綾辻行人」による「異形建築もの」(館シリーズ)の先駆的傑作と呼ばれているようですね… 2008年(平成20年)2月に講談社ノベルスより刊行された『斜め屋敷の犯罪 改訂完全版』を、さらに加筆・修正した講談社文庫の『改訂完全版 斜め屋敷の犯罪』で読みました。
■プロローグ
■第一幕
・第一場 流氷館の玄関
・第二場 流氷館のサロン
・第三場 塔
・第四場 一号室
・第五場 サロン
・第六場 図書室
■第二幕
・第一場 サロン
・第二場 十四号室、菊岡栄吉の部屋
・第三場 九号室、金井夫婦の部屋
・第四場 再びサロン
・第五場 塔の幸三郎の部屋
・第六場 サロン
・第七場 図書室
・第八場 サロン
・第九場 天狗の部屋
・第十場 サロン
■第三幕
・第一場 サロン
・第二場 天狗の部屋
・第三場 十五号室、刑事たちの部屋
・第四場 サロン
・第五場 図書室
・第六場 サロン
■幕あい
■終幕
・第一場 サロン西の階段の一階の踊り場、
すなわち十二号室のドア付近
・第二場 十四号室
・第三場 天狗の部屋
・第四場 サロン
・第五場 丘
■エピローグ
■解説 綾辻行人
宗谷岬のはずれのオホーツク海を見下ろす高台に建てられた「流氷館」は、3階建ての西洋館と円筒形の塔がわざと傾けられており、それゆえ土地の人からは「斜め屋敷」と呼ばれていた… この館で開かれたクリスマス・パーティーに、館のオーナーで、ハマー・ディーゼル会長の「浜本幸三郎」と末娘の「英子」、取引先のキクオカ・ベアリング社長の「菊岡栄吉」とその秘書兼愛人の「相倉クミ」、同社重役の「金井道男」と妻の「初江」、「菊岡」のおかかえ運転手の「上田一哉」、「英子」の甥の「浜本嘉彦」、医大生の「日下瞬」とその友人の「戸飼正樹」、執事の「早川康平」とその妻で家政婦の「千賀子」、コックの「梶原春男」が集まった、、、
その夜中の1時過ぎ、3階の1号室で「相倉クミ」が叫び声を上げる… 窓の外で、青黒い皮膚をした少し髭のある頬に火傷のような傷跡のある顔が彼女の部屋を覗き込んでいたというのだ。
しかし、「幸三郎」や「英子」たちが夢でも見たのだろうと片づけてしまった… その翌朝、「菊岡」の運転手の「上田」が朝食に起きてこなかった、、、
「上田」の泊まっている1階の11号室だけドアが館の外に面しており、「日下」が外を回って起こしに行くが返事がなく、部屋には中から鍵がかかっていた… 全員が館の外に出て11号室に向かう途中、骨董品室にあるはずの「ゴーレム」という等身大の人形が、手足と首をバラバラにされて雪の上に横たわっていた。
その後、11号室のドアを体当たりで破ると、中では運転手の「上田」が、心臓の上から登山ナイフを深々と突き立てられて殺されていた… すぐに警察が呼ばれ、関係者の事情聴取が行われるが、関係者全員に死亡推定時刻の0時から0時半までの間のアリバイはなく、ただの運転手に過ぎない「上田」を殺す動機を持ちそうな者に誰も思い至らなかった、、、
また、密室の謎も解けないままであった… さらに刑事たちが館に泊まり込んだその翌朝、地下の14号室の「菊岡社長」が背中に登山ナイフを深々と突き立てられて殺されているのが見つかった。
この部屋には中から3つの鍵がかけられており、地下のため窓もなく、「上田」の部屋よりもさらに厳重な密室だった… 解決の糸口がまったくつかめない警察は、東京に応援を要請すると、占い師の「御手洗潔」とその助手の「石岡和己」がやってくる、、、
到着した早々、「御手洗」は「ゴーレム」が犯人だと指摘し、人形に服を着せ帽子も被せて、あきれ返る一同を前にしてこれ以上誰も死ぬことはないと宣言する… にもかかわらず、密室の13号室で登山ナイフを心臓の上から突き立てられた医大生の「日下」が、瀕死の状態で発見される。
壁には「私は、浜本幸三郎に復讐する。近いうちあなたは自分の最も大事なもの、すなわち生命を失う。」と記された紙がピンで留められていた… これらの事実が提示された後、「読者への挑戦状」が挿入され、読者も密室殺人のトリックや犯人捜しを試みる趣向となっているのですが、、、
論理的に謎を解き明かすことはできなかったですね… 伏線が張られておりフェアな仕掛けなのかもしれませんが、真相を知って唖然としていしまうこと間違いなしの想像を絶するアクロバティックで大掛かりな仕掛けは、誰も判んないと思います。
雪上の足跡を消すトリックくらいは納得感がありますが、その他のトリック… 特に2件目の密室殺人のトリックは、この方法を用いる必然性もないし(もっと安価で簡単な方法があるんじゃないの… と思わずにはいられない)、現実味がないでねぇ、、、
書評でも賛否両論があるようですね… でも、ありそうにないけど、説明を聞くと本当にあってもおかしくないこともないなぁ、という感じが「島田荘司」らしさなのかもしれないな っと、自分を納得させたのでした。
好き/嫌いがはっきり分かれる作品でしょうね… 私は意外と好きかも。
以下、主な登場人物です。
《流氷館の住人》
「浜本幸三郎」
ハマー・ディーゼル会長、流氷館の主人。68歳。
「浜本英子」
幸三郎の末娘。23歳。
「早川康平」
住み込み運転手兼執事。50歳。
「千賀子」
その妻、家政婦。44歳。
「梶原春男」
住み込みのコック。27歳。
《招待客》
「菊岡栄吉」
キクオカ・ベアリング社長。65歳。
「相倉クミ」
菊岡の秘書兼愛人。22歳。
「上田一哉」
菊岡のおかかえ運転手。30歳。
「金井道男」
キクオカ・ベアリング重役。47歳。
「初江」
その妻。38歳。
「日下瞬」
慈恵医大生。26歳。
「戸飼正樹」
東大生。24歳。
「浜本嘉彦」
慶応大学1年生、幸三郎の兄の孫。19歳。
《警察官など》
「牛越佐武郎」
札幌署部長刑事。
「尾崎」
同、刑事。
「大熊」
稚内署警部補。
「阿南」
同、巡査。
「御手洗潔」
占星術師。
「石岡和己」
その友人。
『東西ミステリーベスト100』の日本編で第21位となっている作品、、、
「島田荘司」作品は初めて読みます… 久しぶりの本格ミステリ作品ですね。
-----story-------------
空前絶後の密室トリック!
「御手洗潔」、第二の事件!!
これを読まずして「本格ミステリ」を語るなかれ!
北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館――通称「斜め屋敷」。
雪降る聖夜にこの奇妙な館でパーティが開かれたが、翌日、密室状態の部屋で招待客の死体が発見された。
人々が恐慌を来す中、さらに続く惨劇。
「御手洗潔」は謎をどう解くのか!?
日本ミステリー界を変えた傑作が、大幅加筆の改訂完全版となって登場!
解説=「綾辻行人」
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1982年(昭和57年)に発表された作品で、「島田荘司」の代表作b>『占星術殺人事件』(残念ながら未読)に続く「御手洗潔」シリーズの第2作、、、
傾けて建てられた西洋館で起こる連続密室殺人をテーマとした作品で、のちの「綾辻行人」による「異形建築もの」(館シリーズ)の先駆的傑作と呼ばれているようですね… 2008年(平成20年)2月に講談社ノベルスより刊行された『斜め屋敷の犯罪 改訂完全版』を、さらに加筆・修正した講談社文庫の『改訂完全版 斜め屋敷の犯罪』で読みました。
■プロローグ
■第一幕
・第一場 流氷館の玄関
・第二場 流氷館のサロン
・第三場 塔
・第四場 一号室
・第五場 サロン
・第六場 図書室
■第二幕
・第一場 サロン
・第二場 十四号室、菊岡栄吉の部屋
・第三場 九号室、金井夫婦の部屋
・第四場 再びサロン
・第五場 塔の幸三郎の部屋
・第六場 サロン
・第七場 図書室
・第八場 サロン
・第九場 天狗の部屋
・第十場 サロン
■第三幕
・第一場 サロン
・第二場 天狗の部屋
・第三場 十五号室、刑事たちの部屋
・第四場 サロン
・第五場 図書室
・第六場 サロン
■幕あい
■終幕
・第一場 サロン西の階段の一階の踊り場、
すなわち十二号室のドア付近
・第二場 十四号室
・第三場 天狗の部屋
・第四場 サロン
・第五場 丘
■エピローグ
■解説 綾辻行人
宗谷岬のはずれのオホーツク海を見下ろす高台に建てられた「流氷館」は、3階建ての西洋館と円筒形の塔がわざと傾けられており、それゆえ土地の人からは「斜め屋敷」と呼ばれていた… この館で開かれたクリスマス・パーティーに、館のオーナーで、ハマー・ディーゼル会長の「浜本幸三郎」と末娘の「英子」、取引先のキクオカ・ベアリング社長の「菊岡栄吉」とその秘書兼愛人の「相倉クミ」、同社重役の「金井道男」と妻の「初江」、「菊岡」のおかかえ運転手の「上田一哉」、「英子」の甥の「浜本嘉彦」、医大生の「日下瞬」とその友人の「戸飼正樹」、執事の「早川康平」とその妻で家政婦の「千賀子」、コックの「梶原春男」が集まった、、、
その夜中の1時過ぎ、3階の1号室で「相倉クミ」が叫び声を上げる… 窓の外で、青黒い皮膚をした少し髭のある頬に火傷のような傷跡のある顔が彼女の部屋を覗き込んでいたというのだ。
しかし、「幸三郎」や「英子」たちが夢でも見たのだろうと片づけてしまった… その翌朝、「菊岡」の運転手の「上田」が朝食に起きてこなかった、、、
「上田」の泊まっている1階の11号室だけドアが館の外に面しており、「日下」が外を回って起こしに行くが返事がなく、部屋には中から鍵がかかっていた… 全員が館の外に出て11号室に向かう途中、骨董品室にあるはずの「ゴーレム」という等身大の人形が、手足と首をバラバラにされて雪の上に横たわっていた。
その後、11号室のドアを体当たりで破ると、中では運転手の「上田」が、心臓の上から登山ナイフを深々と突き立てられて殺されていた… すぐに警察が呼ばれ、関係者の事情聴取が行われるが、関係者全員に死亡推定時刻の0時から0時半までの間のアリバイはなく、ただの運転手に過ぎない「上田」を殺す動機を持ちそうな者に誰も思い至らなかった、、、
また、密室の謎も解けないままであった… さらに刑事たちが館に泊まり込んだその翌朝、地下の14号室の「菊岡社長」が背中に登山ナイフを深々と突き立てられて殺されているのが見つかった。
この部屋には中から3つの鍵がかけられており、地下のため窓もなく、「上田」の部屋よりもさらに厳重な密室だった… 解決の糸口がまったくつかめない警察は、東京に応援を要請すると、占い師の「御手洗潔」とその助手の「石岡和己」がやってくる、、、
到着した早々、「御手洗」は「ゴーレム」が犯人だと指摘し、人形に服を着せ帽子も被せて、あきれ返る一同を前にしてこれ以上誰も死ぬことはないと宣言する… にもかかわらず、密室の13号室で登山ナイフを心臓の上から突き立てられた医大生の「日下」が、瀕死の状態で発見される。
壁には「私は、浜本幸三郎に復讐する。近いうちあなたは自分の最も大事なもの、すなわち生命を失う。」と記された紙がピンで留められていた… これらの事実が提示された後、「読者への挑戦状」が挿入され、読者も密室殺人のトリックや犯人捜しを試みる趣向となっているのですが、、、
論理的に謎を解き明かすことはできなかったですね… 伏線が張られておりフェアな仕掛けなのかもしれませんが、真相を知って唖然としていしまうこと間違いなしの想像を絶するアクロバティックで大掛かりな仕掛けは、誰も判んないと思います。
雪上の足跡を消すトリックくらいは納得感がありますが、その他のトリック… 特に2件目の密室殺人のトリックは、この方法を用いる必然性もないし(もっと安価で簡単な方法があるんじゃないの… と思わずにはいられない)、現実味がないでねぇ、、、
書評でも賛否両論があるようですね… でも、ありそうにないけど、説明を聞くと本当にあってもおかしくないこともないなぁ、という感じが「島田荘司」らしさなのかもしれないな っと、自分を納得させたのでした。
好き/嫌いがはっきり分かれる作品でしょうね… 私は意外と好きかも。
以下、主な登場人物です。
《流氷館の住人》
「浜本幸三郎」
ハマー・ディーゼル会長、流氷館の主人。68歳。
「浜本英子」
幸三郎の末娘。23歳。
「早川康平」
住み込み運転手兼執事。50歳。
「千賀子」
その妻、家政婦。44歳。
「梶原春男」
住み込みのコック。27歳。
《招待客》
「菊岡栄吉」
キクオカ・ベアリング社長。65歳。
「相倉クミ」
菊岡の秘書兼愛人。22歳。
「上田一哉」
菊岡のおかかえ運転手。30歳。
「金井道男」
キクオカ・ベアリング重役。47歳。
「初江」
その妻。38歳。
「日下瞬」
慈恵医大生。26歳。
「戸飼正樹」
東大生。24歳。
「浜本嘉彦」
慶応大学1年生、幸三郎の兄の孫。19歳。
《警察官など》
「牛越佐武郎」
札幌署部長刑事。
「尾崎」
同、刑事。
「大熊」
稚内署警部補。
「阿南」
同、巡査。
「御手洗潔」
占星術師。
「石岡和己」
その友人。
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