2003年公開の韓国映画。監督はポン・ジュノ。出演はソン・ガンホ、キム・サンギョル、他。音楽は岩代太郎、この方は映画音楽やドラマの音楽を多数作曲している。
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時代は1986年、場所は韓国ソウル郊外。水田と山林に囲まれた田舎町。そこで連続殺人事件が起こる。地元の刑事とソウルから派遣された刑事が事件解決に奔走する。唯一生き残った女性を見つけ、その証言と事件の日にいつもFMラジオに決まった音楽のリクエストを送ってくる人物を特定するが、、、。手の込んだ見ごたえのある映画です。華城連続殺人事件をモデルにして作られた。映画の最後の時代は2003年。1986年と2003年のソン・ガンホの生活の変化が際立っていて思わず笑ってしまった。
韓国映画はあまり見ないのだが世間の評判が良い。韓国映画も山ほどあるはずだけどわざわざ外国に買われて我々が目にするものはそりゃ出来が良いよなと思う。特に監督ポン・ジュノ、俳優ソン・ガンホが一緒に作ったとなると外したら恥ずかしいだろという組み合わせに思える。この二人がいなくなった韓国映画界が心配になる。個人の感想です。監督のソン・ガンホは『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』『母なる証明』『スノーピアサー』『パラサイト 半地下の家族』を作った人。韓国を代表するというより世界を代表する映画監督だと思う。
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選んだ食事の場面は焼き肉屋。最初に犯人の疑惑をかけられた知的障害を持つ青年の家。家業が焼肉屋。疑惑が晴れた後で刑事がお詫びもかねて店を訪ねて来たという場面。ガラス戸で通りに面した土間にテーブル席もあるのだが、その奥のプライベートな座敷にも七輪が置かれ客を入れているのが面白い。日本には今でもこういう店は探せばあるような気がする。
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焼肉屋と言えば30年ほど前に通っていた大阪の鶴橋にある焼き肉屋を思い出す。そこは昔の町屋で狭い間口と奥に深い形式の造りだった。住宅街にある店舗を改装した店で間口は三間(5.4m)だろうか。ガラス戸を開けると店をやっていたころの土間があり、料金を精算するレジが置いてあった。昔はここに台を置き品物を並べていたのだろう。客はそこで靴を脱ぎ小さな中庭(坪庭)を横目に見ながら狭い廊下を進むと細長い座敷に案内されるという店だった。テーブルは脚をたたんで床に置いてあり、その上に炭火を入れた七輪がずらっと並ぶ。換気扇は付いているのだが煙がもうもうと充満し部屋中が白く煙る。客はゴミ袋を渡され上着や鞄に臭いが付かないようにしていた。懐かしい。今でもあるのかと調べたらまだやっていた。「新楽井」と言う店。アライと読む。間口は三間に見えたけどもうちょっと広いかも。