渋谷区立松濤美術館開館40周年記念
白井晟一 入門
第2部/Back to 1981 建物公開
2022年1月4日~1月30日
渋谷区立松濤美術館
*【ご注意】第1部の作品・図面・模型・写真は、第2部では展示されません!第2部では竣工当時に近づけた「当館の建築そのもの」をご堪能いただきます。
NHK日曜美術館「天使か悪魔か 建築家 白井晟一」を観る。
白井晟一と言えば、渋谷区立松濤美術館の建築家というのが私の知っていることの全てであった。
番組では、渋谷区立松濤美術館を取り上げるのかと思ったら、取り上げない。
メインは長崎県佐世保市の旧親和銀行本店(現:十八親和銀行佐世保本店)。
他に、東京都港区麻布台のノアビル、初期に手掛けた秋田県の雪深い町の個人住宅・役場・市民会館などが紹介される。
旧親和銀行本店の建物はユニーク。
アーケードのある商店街に面していて、それが故に建物の全体像が俯瞰できない。
営業室の壁にある階段を上がって、営業室を見下ろせる中2階っぽいスペースは、銀行も持て余しているらしく、シュレッダー屑の入ったビニール袋や段ボール箱が乱雑に置かれている。
要塞/塔であるかのような「懐霄館(かいしょうかん)」は、電算事務センターとして使用していたそうだが、このご時世、現在は何に利用しているのだろうか。
経営環境が厳しいなか、維持費負担は重荷だろうなあ。
白井晟一は、京都高等工芸学校図案科を卒業し、ドイツで哲学・美学を学んだが、独学で建築家への道に進んだという。
モダニズム建築が全盛の時代、白井の建築は、哲学的というか美学的というか、西洋文化に奇異な方向でこだわっている感じで、発注者は事前も最中も事後もたいへんそう。
番組を見て、渋谷区立松濤美術館が白井の回顧展を開催していることを思い出す。
第1部は終了し、建築鑑賞となる第2部も会期最終週で事前予約必須の週となっている。
残り日時は全て満員だが、キャンセルがあった1つの時間帯が1席のみ空いていたので、その日時に行くことを決める(まめに確認すると、時々キャンセルが出ている)。
美術館の推奨コースに従い、次のとおり回る。
0:美術館正面
1:エントランス
2:ブリッジ
3:回廊
4:ロビー
5:螺旋階段(大)
6:第1展示室(主陳列室)[地下1階]
7:螺旋階段(大)
8:【初公開】茶室[地下2階]
【チラ見】厨房跡(9の入口前左手)
9:第2展示室(サロンミューゼ・特別陳列室)[2階]
普段の訪問時は、建築を気にしていないし、螺旋階段を使わずにエレベーターで移動しているが、今回は、適宜写真撮影しながら、歩き回ってじっくり建築鑑賞する。
現在も使用されている中公文庫や中公新書の装丁を手がけたことを知る。第1部も見たかったな。
しかし、建築の撮影は難しい。ぱっと出来るものではない。