No Museum, No Life?-これからの美術館事典
国立美術館コレクションによる展覧会
2015年6月16日~9月13日
東京国立近代美術館
国立美術館5館の所蔵作品からなる合同展。
初回の合同展である2010年の「陰影礼讃」展(国立新美術館)は、足元や地面に落ちる人や物の「影」、光がさえぎられた場所が薄暗く見える「陰」、がテーマであった。
2度目の合同展のテーマは、「美術館」そのもの。
美術館の構造や機能から着想を得たAからZまでの36個のキーワードに基づいて展覧会を構成し、これらのキーワードに沿って、事典を思わせる空間構成の中で、紀元前から現代、西洋から東洋までの幅広い時代と地域の作品約170点を厳選して紹介します。そして作品と同時に、美術館の活動に関わる資料も織り込んで展示します。
各キーワードに対して、1点から数十点の展示。
なかには、美術作品が伴わないキーワードや、キャプションのみ・展示品なしのキーワードもある。
1時間ほどの駆け足鑑賞では、キーワードそのものの内容や、キーワードと展示品の結びつきが理解できていない。
展示品のなかには、展示室内の休憩用ベンチに自然な感じで置かれている書籍等がある。触ってもいいのかな。可なら、今は新品だが、会期末には垢にまみれてぼろぼろになっているだろう。
なお、本展は一部を除き、写真撮影可。
AtoZ 36のキーワード
Art Museum 【美術館】
マルセル・ブロータース≪ミュージアム-ミュージアム≫ 1972年、シルクスクリーン(2枚組)
Architecture 【建築】
Archive 【アーカイヴ】
Artist 【アーティスト】
Beholder 【観者】
トーマス・シュトゥルート≪ルーヴル美術館4、パリ 1989≫は、ジェリコーの作品の前。
Catalogue 【カタログ】
Collection 【収集】
Conservation 【保存修復】
Curation 【キュレーション】
Discussion 【議論】
Earthquake 【地震】
池田遙邨、十亀広太郎による関東大震災のスケッチ・水彩画、宮本隆司による阪神・淡路大震災の神戸の被害の写真、東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援委員会の年度活動報告書、そして、国立西洋美の免震台。
Education 【教育】
Event 【イベント】
Exhibition 【展示】
Frame 【額/枠】
Guard 【保護/警備】
フランシス・ベーコンのやたら反射するガラスに入った作品≪スフィンクス―ミュリエル・ベルチャーの肖像≫、そして結界。
Handling 【取り扱い】
Hanging 【吊ること】
Haptic 【触覚的】
Internet 【インターネット】
Journalism 【ジャーナリズム】
Light 【光/照明】
国立西洋美のグエルチーノは、モネ、ルノワール、そしてハロゲン照明と並ぶ。
Money 【お金】
ルーブル美、メトロポリタン美と国立美術館5館計の年間運営費比較のキャプションのみ。残念にも展示品は伴わない。
Naked/Nude 【裸体/ヌード】
ヌード作品の競演は、2011-12年の「ぬぐ絵画 -日本のヌード 1880-1945」展(東京国立近代美)を思い出す。
Original 【オリジナル】
Plinth 【台座】
Provenance 【来歴】
Record 【記録】
Research 【調査/研究】
Storage 【収蔵庫】
4館の収蔵庫再現。実作品はすべて藤田作品。
Tear 【裂け目】
17世紀バロックの画家リベーラ作品と、20世紀のフォンタナ作品がなぜ隣り合わせなのか?その答えは会場にて。
Temperature 【温度】
Wrap 【梱包】
X-ray 【エックス線】
You 【あなた】
Zero 【ゼロ】
最後の展示室には、本展作品用の梱包資材の山。