未来の国宝 - 東京国立博物館 彫刻、工芸、考古の逸品 -
工芸・考古:東京国立博物館本館14室
2022年9月6日~10月10日
重文《白瑠璃埦》
古墳時代・6世紀、ササン朝ペルシヤ
大阪府羽曳野市 伝安閑陵古墳出土
ササン朝ペルシヤからはるばる日本にやってきた吹きガラスのカットグラス(切子ガラス)。
正倉院宝物にも、ほぼ同一規格品だという《白瑠璃埦》が伝来している。
2019年の東博「正倉院の世界」展において、正倉院宝物と東博所蔵品が並んで展示された。
状態が良好であるうえに、2角からのスポット照明の支援を受けて、実に美しい輝きを見せていた正倉院宝物。
一方、継ぎが目立つなど状態が劣るうえに、スポット照明の支援もなく、暗くみすぼらしく見えてしまった東京所蔵品。
陽と陰の「陰」の役割を担った東博所蔵品が、今回は「未来の国宝」として、本館14室で単独展示でスポット照明を浴びる。
「出土から当館の所蔵に至る数奇な運命」
白瑠璃埦は江戸時代の元禄年間(1688-1704)に[安閑陵で土砂崩れがあったときに]出土したといわれ、外箱の箱書きから所有地内に安閑天皇陵があった森田家(屋号神谷)から西琳寺に寄進されたことがわかります。内箱の蓋には聖護院門跡であった盈仁親王の題字、身の見込には賀茂(岡本)保考の揮毫があり珍重されたようです。のち国学の隆盛とともに大田南畝ら文人から注目されましたが、廃仏毀釈によって行方不明となりました。戦後に再発見され、有志の努力により当館に寄贈されました。
未来の国宝 - 東京国立博物館 彫刻、工芸、考古の逸品 -
彫刻:東京国立博物館本館11室
2022年9月6日~12月25日
重文《菩薩立像》
鎌倉時代・13世紀
鎌倉時代には仏像に現実感を持たせるためにさまざまな工夫が凝らされました。
本像は目や唇に水晶を嵌めているのが特徴です。
[目に水晶をはめる玉眼、上下の唇にも彩色の上に薄い水晶板をあてる、玉唇ともいうべき技法]
また金粉を膠で溶いた金泥を肌に施して自然な輝きを放ち、いっそうの現実感を与えています。
制作当時の鮮やかな彩色や金泥が残る貴重は作例です。
コメントありがとうございます。反応がたいへん遅くなり申し訳ありませんでした。
12月25日まで展示される予定です。
コメントありがとうございます。反応がたいへん遅くなり申し訳ありませんでした。
12月25日まで展示される予定です。
後ろのお姿も本当に素敵です。