与謝蕪村
《山野行楽図屏風》
江戸時代・18世紀
東京国立博物館
三人の旅人は、月の浮かぶ夜明け前の山野を馬に任せるまま進み、
四人の老いた高士は、童僕の手を借りながら、清流を越え、急な山道を登る遅々として進まぬ旅をゆくさまが描かれています。
中国風の主題を俳趣あふれる描写に置き換えた、蕪村の代表作の一つです。
2021年の府中市美術館の春の江戸絵画まつり「与謝蕪村 「ぎこちない」を芸術にした画家」展以来、2度目の対面。
「俳趣あふれる描写」が心地よい。
お気に入り作品の一つ。
【おまけ画像】
円山応挙
《朝顔狗子図杉戸》部分
1784年
東京国立博物館
与謝蕪村《山野行楽図屏風》と同じく、本館2階7室に展示。
あざやかな群青と緑の配色が発する清涼感、じゃれ遊ぶ子犬たちの愛くるしさ。
もとは当館庭園内、応挙館の廊下を仕切る杉戸絵でした。
応挙館は、もと愛知県・明眼院の書院で、三井財閥総帥益田孝を経て、当館へ寄贈されました。
画家の優しいまなざしが感じられる作品です。