東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想(Bunkamuraザ・ミュージアム)

2012年04月14日 | 展覧会(西洋美術)

レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想
2012年3月31日~6月10日
Bunkamuraザ・ミュージアム

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を日本で見る機会はなかなかありません。
油彩で、私が見たのは、「聖ヒエロニムス」(1993年、国立西洋美)、「白貂を抱く貴婦人」(2002年横浜美)、「受胎告知」(2007年東博)の3点。素描類はたまに機会がありますが、一番印象的なのは1995年の「ウィンザー城王立図書館所蔵 人体解剖図展」(東京都庭園美)でしょうか。


さて、本展です。
「レオナルドの“美の系譜”に焦点を当て」、「レオナルドの創造した“美の理想”の真髄に迫る」展覧会。


「レオナルド・ダ・ヴィンチ」とされる作品は。
「衣紋の習作」2点、「老人の頭部(ボワイーの断片)」、そして本展の目玉である「ほつれ髪の女」の素描4点。


あとは、
「ヴェロッキオの工房(レオナルド・ダ・ヴィンチ?)」
「レオナルド・ダ・ヴィンチと弟子」
「レオナルド・ダ・ヴィンチと弟子(カルロ・ペドレッティ説)」
「レオナルド・ダ・ヴィンチの工房」
「レオナルド・ダ・ヴィンチ下絵、サライ(カルロ・ペドレッティ説)」
「レオナルド・ダ・ヴィンチ構想、サライ」
「レオナルド・ダ・ヴィンチとジャンピエトリーノ(カルロ・ペドレッティ説)」
「レオナルドによる1503年の未完成作説あり」
「レオナルド周辺の画家」
「レオナルド派」
「レオナルドの流れを汲む画家の追随者」
と作者名が微妙に違うけれども、その使い分け方がわからない作品群が並びます。


個人蔵も多く、よくこれだけの作品を日本に持ってこれらものだなあと感心します。
が、レオナルド自身の作品を見る機会がないなかで、なんとかレオナルドに結び付けようとされている作品群を見るのはなんとも落ち着かない感じです。個人的には「レオナルデスキ」の質の高い作品を期待していたのですが、ちょっと方向性が違いました。


静岡市美術館にも行きましたが、同じ展覧会でも展示の違いでずいぶん印象が異なってくるものだなあ。
今回の訪問は、その点に関心が向かいました。


例えば、モナリザや裸のモナリザ。
静岡では、1点1点の独立性が高く、1点1点を丁寧に鑑賞してくださいという感じ。
Bunkamuraでは、モナリザ5点セット、裸のモナリザ4点セットで提示され、比較して鑑賞してくださいという感じ。


「岩窟の聖母」。
静岡では、今回の見どころです、もうひとつの「岩窟の聖母」とされていますが、レオナルドの手が本当に入っているのか、あなたの目でじっくり確認してくださいという感じ。
Bunkamuraでは、展示の流れの中で、こういうレオナルド風作品もありますよ、さて次の作品は、と去っていく感じ。


もう一度訪問し、東京会場のみ出品の「ほつれ髪の女」をじっくり鑑賞しようと思っています。



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