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1997年のエゴン・シーレ、レオポルド・コレクション

2023年02月06日 | 展覧会情報
 1991-92年のレオポルド・コレクションによる「エゴン・シーレ」展の5年後。
 1997年にレオポルド・コレクション展が開催されている。
 
 
レオポルド・コレクション
ウィーン世紀末展
1997年1月18日〜4月13日
安田火災東郷青児美術館
(三重県立美術館に巡回)
 
 
 出品作の構成は、東京都美術館で現在(2023年2月)開催中の「エゴン・シーレ展」に近い。
 
 
【1997年 ウィーン世紀末展】
出品点数:106点
(出品元)
 レオポルド・コレクション 106点
うち
エゴン・シーレ作品:35点
 油彩21点、スケッチ14点
クリムト作品:9点
 油彩3点、スケッチ6点
 
 
【2023年 エゴン・シーレ展】
出品点数:115点
(出品元)
 レオポルド美術館(寄託含む)93点
 クリムト財団     1点
 個人         11点
 オーストリア・ポスト 5点
 豊田市美術館     2点
 宮城県美術館     3点
 
うち
エゴン・シーレ作品:50点
 油彩22点、スケッチ25点、版画・彫刻3点
(出品元)
 レオポルド美術館 42点
 (油彩20、スケッチ20、版画・彫刻2)
 個人蔵     3点(スケッチ3)
 豊田市美術館  2点(油彩2)
 宮城県美術館  3点(スケッチ2、版画1)
クリムト作品:8点
 油彩4点、スケッチ4点
(出品元)
 レオポルド美術館(寄託含む)7点
 クリムト財団 1点(油彩1)
 
 
 エゴン・シーレの出品数は、2023年「エゴン・シーレ展」が1997年「ウィーン世紀末展」より、15点多い。
(レオポルド美術館からの作品だけに限ると、7点多い。)
 
 
1997年「ウィーン世紀末展」出品作より、
エゴン・シーレ作品15選
 
エゴン・シーレ
《ヴァリーの肖像》
1912年、32.0×39.8cm
 
エゴン・シーレ
《枯木、家、聖像柱》
1908年、15.5×25.5cm
 
エゴン・シーレ
《座る裸の男》
1910年、152.5×150.0cm
 
エゴン・シーレ
《靴下と靴をはいて座る裸の少女》
1910年、55.0×35.7cm
 
エゴン・シーレ
《死せる母》
1910年、32.0×25.7cm
 
エゴン・シーレ
《死せる街》
1911年、37.3×29.8cm
 
エゴン・シーレ
《晩秋の小さな木》
1911年、42.0×33.5cm
 
エゴン・シーレ
《首を傾げた自画像》
1912年、42.2×33.7cm
 
エゴン・シーレ
《隠者たち》
1912年、181.0×181.0cm
 
エゴン・シーレ
《むき出しの肩を高くあげた自画像》
1912年、42.2×33.9cm
 
エゴン・シーレ
《枢機卿と尼僧》
1912年、70.0×80.5cm
 
エゴン・シーレ
《聖人としての自画像》
1913年、23.0×23.7cm
 
エゴン・シーレ
《盲目の母》
1914年、99.0×120.0cm
 
エゴン・シーレ
《一年志願兵》
1916年、47.2×30.5cm
 
エゴン・シーレ
《立っている三人の女》
1918年、101×108.5cm
     
     
 
 レオポルド・コレクション遠征団は、日本2都市での展覧会のあと、大きく再編成し、エゴン・シーレ作品ばかり150点余となって、ニューヨークに向かう。
 
Egon Schiele
The Leopold Collection, Vienna
1997年10月12日〜1998年1月4日
ニューヨーク近代美術館
 
 閉幕後、《ヴァリーの肖像》は、米当局に押収される。
 ナチスに強奪されたと、当時の所有者の遺産管理人が訴えたためである。
 12年後の2010年、相続人に1900万ドルを支払うことで和解し、《ヴァリーの肖像》はレオポルド美術館に戻る。
 レオポルド美術館は、資金調達のため、所蔵作品から風景画1点をオークションにて売却したようである。
 
 
 
 
 1997年のウィーン世紀末展には、クリムトの大作も出品された。
 
グスタフ・クリムト
《死と生》
1911年、178.0×198.0cm
 
 本作は、2022年11月15日に、環境活動家により黒い油をかけられている。
 絵画自体への影響はなかった模様。
 ただ、絵画を保護するガラスやフレーム、近くの壁や床に「はっきりとした、かなりの」ダメージがあったという。
 この事件がなければ、本作も、今回の展覧会で来日したかもしれない。
(ということはなく、当初から来日メンバーに入っていなかったようだ。)
 
 
 
 日本におけるレオポルド・コレクション展は、私の認識する範囲では、
 
1)
エゴン・シーレとウィーン世紀末
1986年3月1日〜4月1日
伊勢丹美術館
✳︎名古屋、奈良、山梨、鎌倉に巡回。
 
2)
エゴン・シーレ
1991年10月12日〜12月8日
Bunkamuraザ・ミュージアム
✳︎名古屋市立美術館、大丸ミュージアム・梅田、山梨県立美術館に巡回。
 
3)
レオポルド・コレクション
ウィーン世紀末展
1997年1月18日〜4月13日
安田火災東郷青児美術館
✳︎三重県立美術館に巡回。
 
4)
レオポルド美術館 エゴン・シーレ展
ウィーンが生んだ若き天才
2023年1月26日〜4月9日
東京都美術館
 
 
 今回のエゴン・シーレ展は、26年ぶり4度目のレオポルド・コレクション展となるようだ。
 2001年にレオポルド美術館が開館し、その前後で開催頻度や出品作が変わった感がある。


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