「スイス プチ・パレ美術館展」が、SOMPO美術館で開催中(7/13〜10/10)。
その鑑賞記事を投稿したあと、我が本棚に、プチ・パレ美術館コレクションの小カタログを発見する。
The extraordinary adventure of
THE DAWN OF THE 20th CENTURY
ILLUSTRATIONS OF THE PETIT PALAIS WITH 640 REPRODUCTIONS
FROM RENOIR TO CHAGALL
表紙(ピカソ)
裏表紙(キスリング)
なぜ、持っているのだろう。
いつ、どこで、入手したのだろうか。
英語版。約120ページ。 1988年の刊行。
実際の入手時期はそれよりずっと後なのだろう。
プチ・パレ美術館の外観
プチ・パレ美術館のフロア図
展示室は、1階に3室、2階に5室。
うち2室がキスリング・ルームと、キスリングの充実度合いが伺われる。
カタログ掲載作品は、全て絵画で567点。
1880年から1930年までを主とするフランス近代絵画。
美術館のコレクション自体は、これらにとどまらず、彫刻も含めて、もっともっと大きいようだ。
1ページあたり16点サイズのミニ白黒図版が掲載。
うち40点については、1ページあたり1点サイズのカラー図版も掲載。
画像のカラー図版の2点は、今回のSOMPO美術館の展覧会出品作。
左が、ニコラス・タルコフ《木陰》。
右が、シュザンヌ・ヴァラドン《暴かれた未来、またはカード占いの女》。
567点のミニ白黒図版を眺める。
ときどき実見した記憶のある作品が出てくる。
キスリング
《モンパルナスのキキ》 1925年
《ジャン・コクトーの肖像》1916年
*過去3度遭遇したキスリング回顧展にて。
カイユボット
《ヨーロッパ橋》 1876年
《樹木の下で横たわるマグロワール親父》1884年
*2013年のブリヂストン美術館「カイユボット展」にて。
ヴァロットン
《赤い絨毯の上に横たわる裸婦》1909年
*2014年の三菱一号館美術館「ヴァロットン展」にて。
藤田嗣治
《二人の裸婦》1926年
《モンパルナスの娼家》 1928年
*2018年の東京都美術館「没後50年 藤田嗣治展」にて。
2015年の東京都美術館「新印象派」展にも、マクシミリアン・リュスやテオ・ファン・レイセルヘルべほか複数作品が出品されている(個々の作品の記憶なし)。
一度実見してみたい作品。
ミニ白黒図版では、作品の雰囲気がよく掴めないながらも3選。
マネ
《ベルト・モリゾの肖像》1872年
*2010年の三菱一号館美術館「マネとモダン・パリ」展に出品(見ているはずだが、記憶なし)。
バジール
《メリックのテラス》1867年
マリー・ブラックモン
《セーブルのテラスにて》1880年
*アーティゾン美術館が本作と同構図の作品を所蔵する。
プチ・パレ美術館は、創設者オスカー・ゲーズ氏が亡くなった1998年以降、現在に至るまで休館しているとのこと。
ただ、国内外の美術館に積極的に作品貸出しを行っているようである。
今後も、そのコレクションを日本にも貸出し続けていただきたいもの。
私的には特に、いずれもコレクションの主流ではない印象派画家の作品となるが、カイユボット《ヨーロッパ橋》との再会と、バジール《メリックのテラス》との出会いを期待。