残酷絵で見る暗黒の西洋史(別冊宝島)
190点の絵画・彫刻・版画が語る「恐ろしい」西洋史。
監修は、池上英洋准教授。
マイナーな画家による珍しい図像がたくさん見れるのでは、と期待しての購入。
絵画・彫刻に限れば、そのようなマイナー図像は予想より少なく、逆に美術史に燦然と輝く画家による、美術史を語る上で欠かせない作品が思いのほか多い。
残酷さは、西洋美術の太い柱の一つなんですね。
確かにイエス磔刑をはじめとして、美術館にはそういう作品があふれていますものね。
本書の項立て
第1章 殺害と死
第2章 拷問と処刑
第3章 殉教者
第4章 狙われる女性の性
第5章 日常に潜む残酷さ
私的・初見の残酷図像ベスト5
◇洗礼者ヨハネの頭部(フランチェスコ・カイーロ)1630頃
◇嬰児復活の奇跡(エッリの兄弟)1460-70代
◇書物の上の頭部(ヤコボ・リゴッツィ)17世紀
◇宗教裁判の情景(アレッサンドロ・マニャスコ)1710頃
◇1656年のナポリ(ミッコ・ダ・スパダーロ)1656年
私的・本書掲載「残酷」図像ベスト5
◇磔刑(グリューネヴァルト)1512-13頃
◇墓の中の死せるキリスト(ホルバイン)1521-22頃
◇聖アガタ(グアリーノ)1630年代
◇1808年5月3日(ゴヤ)
◇落穂拾い(ミレー)
以上、一読した後の選出です。