マリオ・ミンニーティ(Mario Minniti、1577-1640)といえば、カラヴァッジョのローマ時代の弟分。そしてカラヴァッジョの初期の絵に登場する豊頬の美少年。
ローマ生活後、地元シラクーザに戻り、メッシーナに移り、シチリア中に名声を馳せる。
マルタから逃亡してきたカラヴァッジョを温かく迎え、祭壇画《聖ルチアの埋葬》の仕事を斡旋する。
「絵から判断する限り、どうしようもない凡才」「この画家が、シチリアにおける最初のカラヴァッジェスキであったということは、シチリアの美術にとって不幸であったとする研究者さえいる」(宮下規久朗氏)とされる画家。
カラヴァッジョ
《聖ルチアの埋葬》
1608年、408×300
Chiesa di Santa Lucia alla Badia, Siracusa
所蔵場所が、近年変わったようだ。
Galleria Regionale Palazzo Bellomo, Siracusa
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Chiesa di Santa Lucia al Sepolcro, Siracusa
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Chiesa di Santa Lucia alla Badia, Siracusa
ところで、マリオ・ミンニーティは、そこまで言われなければならないほどの画家だったのか。
マリオ・ミンニーティ作品は、2001年のカラヴァッジョ展にて2点来日。それを見る限り、仕方ないかもと思うが、その2点は代表作ではない。
ということで、女性を描いた作品を取り上げてみる。
Decollazione di San Giovanni Battista
367×189
Museo Regionale, Messina
Circoncisione
125×98
Museo Regionale, Messina
Miracolo della Vedova di Naim
245×320
Museo Regionale, Messina
Martirio di Santa Lucia
197×144
Galleria Regionale Palazzo Bellomo, Siracusa
Immacolata Concezione e Santi
490×335
Museo Regionale, Messina
祭壇画なのだろう大きなサイズの作品が中心となったが、画像ではその真価は分からない。
分からないので、これら作品のうち1点でも、2016年のカラヴァッジョ展に出品してもらえると嬉しいのだが。