嬉しいニュース!!!
2020年秋、カラヴァッジョ《キリストの埋葬》が来日する。
「バチカンと日本の100年プロジェクト」の一環として、カラヴァッジョ《キリストの埋葬》を目玉とする美術展が国立新美術館にて開催される。
カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展(仮称)
2020年10月21日〜11月30日
国立新美術館
カラヴァッジョ《キリストの埋葬》の来日は、1989年の国立西洋美術館「ヴァチカン美術館特別展:古代ギリシャからルネッサンス、バロックまで」以来、31年ぶりとなる。私が美術鑑賞に関心を持つ前のこと。
また、現地で実物を見ているはずだが、画家に興味を持つ前のことなので、作品の記憶はない。
そんな私に日本にいながらにしてじっくり味わえるビッグ・チャンス到来。
展覧会の会期は36日間と短め。
カラヴァッジョ《キリストの埋葬》以外に何が出品されるのか(ヴァチカン美術館や図書館の所蔵品であろう)。どんな展覧会構成になるのか。
非常に楽しみ。
カラヴァッジョ
《キリストの埋葬》
1603〜04年、300×203cm
ヴァチカン美術館
本作は、ローマ画壇の寵児となったカラヴァッジョが、新興団体であるオラトリオ会の総本山サンタ・マリア・イン・ヴァリチェッラ聖堂(キエーザ・ヌオーヴォ)のヴィットリーチェ礼拝堂のために制作したもの。
同聖堂は、カラヴァッジョ以外にも、ルーベンスに主祭壇画を依頼するなど、「新興の現代美術の大展示場」となった。
主祭壇画とは、ルーベンスのイタリア滞在期(1600〜08)における「最高傑作」とされる《ヴァリチェッラの聖母》。2018〜19年の国立西洋美術館「ルーベンス展」で4K映像により紹介されていた作品である。
カラヴァッジョの作品は、200年近くこの聖堂に設置されていたが、ナポレオンがフランスに持ち帰ってしまう。1797年のことらしい。一時期ルーヴル美術館に展示されていたようだ。その後返還されるが、本聖堂には戻らずにヴァチカン絵画館に収蔵される。1816年のことらしい。当初の礼拝堂には模写作品が設置されている。
本作は「その古典主義的で完璧な構成のためにカラヴァッジョ作品のうちで早くからもっとも高く賞賛され」、多くの画家に模写されてきたという。
その最初がルーベンス。ルーベンスによる模写は、オタワのカナダ国立美術館が所蔵する。アントワープ帰国後の制作(1612-14頃)であるらしいが、単純な模写ではなくて改変を加えているのがルーベンス流。