高橋由一から藤島武二まで
日本近代洋画への道
山岡コレクションを中心に
2016年9月10日〜12月11日
中村屋サロン美術館(新宿)
ヤンマー株式会社の創業者、山岡孫吉氏(1888-1962)によって収集された日本近代洋画のコレクション。
2001年に笠間日動美術館の所蔵になって以降、日本全国を巡回しているようだ。日本制覇を目指すかのような巡回ぶりである。
今回、新宿の中村屋サロン美術館にやってきた。
スペースが狭い美術館なので、展示点数は29点と限られる。
その分、厳選されたコレクションが展示されているのだろう。おそらく。
日本近代洋画のビッグネームが並ぶことに感心。
以下、印象に残った作品5選。
高橋由一(1828-94)
《丁髷姿の自画像》1866-67
由一唯一の油彩による自画像で、由一の油彩画のなかでは最初期の作品。ただ、自画像否定説や別人作説もある、とのこと。
《鮭図》1879-80
重要文化財の東京藝術大学所蔵作品が有名だが、由一は他にも鮭を描いている。
川村清男(1852-1934)
《ベニス風景》
イタリア・ヴェネツィアに美術留学。1876年から5年ほど。なぜ、ヴェネツィアだったのだろう。
満谷国四郎(1874-1936)
《かりそめの悩み》1907
《戦の話》倉敷市立美術館蔵や《車夫の家族》東京藝術大学大学美術館蔵と同時期の作品。
青木繁(1882-1911)
《二人の少女》1909
明るい色彩で好ましい作品。
今回、選抜から漏れた作品も見たくなる。
次の巡回先は、茨城県古河市の古河歴史博物館、来年1〜3月の開催である。展示点数も大幅に増えるのだろう。