鈴木其一 江戸琳派の旗手
2016年9月10日~10月30日
サントリー美術館
本展の目玉作品は、12年ぶりの日本での公開となる
鈴木其一
《朝顔図屏風》
メトロポリタン美術館
全期間展示
琳派展といえば、まず俵屋宗達があって、尾形光琳があって、大体そこで力を使ってしまって、次の酒井抱一で力を使い果たして、最後の鈴木其一は一目見るだけで素通り、というのがこれまでの私のパターン。
「其一」が「KIITSU」と読むなんて、本展に行くまで知らなかったほど。
そんな私が、果たして「初の大回顧展」の味が分かるのか?状態での訪問である。
サントリー美術館なので展示替えが多い。細かく数えると5期に分かれ、2回訪問で大半の、3回訪問で(多分)全ての出品作を見ることができそうである。
鈴木其一に対しては、屏風画の人というイメージがある。それも宗達や光琳や抱一と比べ、ピカピカ過ぎるというか、妙に新しい屏風画の、というイメージ。
私の訪問は第1期。
屏風画では、目玉作品、メトロポリタン美術館の《朝顔図屏風》。千葉市美術館の《芒野図屏風》。この辺りを見る。アメリカからの《群鶴図屏風》などもある。
私が屏風画の人と勝手にイメージしていたほどの出品点数ではない。通期、および巡回先(姫路市立美、京都・細見美)を含めれば相応の点数が出るのかも。
逆に、屏風画以外の作品が多いのにちょっと戸惑い。でも少し考えれば当たり前のこと。いままで屏風画以外のサイズ小さめとなる作品は目に入らなかったのだろう。優品と思われる、メトロポリタン美術館《花菖蒲に蛾図》、細見美術館《藤花図》、畠山美術館《向日葵図》の3点が並ぶ一画。その隣が目玉作品《朝顔図屏風》で割を食った感。
鈴木其一は、1796年生で1858年没、つまり、幕末まで活躍した人であることを知る。
ならば、作品が妙に新しいのも当然か。
開眼の兆しなく、会場を後にする。
10/22(土)は「六本木アートナイト割引」で、入館料は一律500円となる。夜22時までの開館。再挑戦するならよい機会である。