東京でカラヴァッジョ 日記

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「カラーフィールド 色の海を泳ぐ」展(DIC川村記念美術館)

2022年07月07日 | 展覧会(現代美術)
カラーフィールド 色の海を泳ぐ
2022年3月19日〜9月4日
DIC川村記念美術館
 
 カラーフィールドは1950年代後半から60年代にかけてアメリカを中心に発展した抽象絵画の傾向です。 
 大きなカンヴァス一面に色彩を用いて場(=フィールド)を創出させることで、広がりある豊かな画面を作り出しました。
 本展は、このカラーフィールド作品の収集で世界的に知られる(カナダの)マーヴィッシュ・コレクションより、関連する作家9名に焦点をあて、1960年代以降の出色の作品を紹介する本邦初の展覧会です。
 
 
【取り上げられる作家9名】
 
 
ジャック・ブッシュ(1909-77、加)
ケネス・ノーランド(1924-2010、米)
フランク・ステラ(1936- 、米)
アンソニー・カロ(1924-2013、英)
ヘレン・フランケンサーラー(1928-2011、米)
モーリス・ルイス(1912-62、米)
フリーデル・ズーバス(1915-94、米)
ラリー・ブーンズ(1937-  、米)
ジュールズ・オリツキー(1922-2007、米)
 
 
 「カラーフィールド」の名称も、作家9名も知らずにいた私。
 これまでその作品の前に立ったことがあったとしても、素通りしたのだろう。
 本展はまとまった展示であるようなので、新たな出会いの機会になるかも、と遠征した次第。
 
 ちなみに私でも名を知るマーク・ロスコやバーネット・ニューマンも、本展では取り上げられないが、「カラーフィールド」の作家とのこと。
 
 
1 色の形
 色彩と絵画の問題
 形を用いて色彩にアプローチ
 
◯ジャック・ブッシュ
 日常生活で目にとまった形状から着想
 
◯ケネス・ノーランド
◯フランク・ステラ
 ストライプのパターンと円という特定の形状への関心から、変形的な外形を持つシェイプト・カンヴァスへ
 
◯アンソニー・カロ
 単色に塗る抽象彫刻
 
 
2 色と技法
 「何を」描くかよりも、「どうやって」描くか
 
◯ヘレン・フランケンサーラー
◯モーリス・ルイス
 絵具をカンヴァスに染み込ませるステイニング技法
 
◯フリーデル・ズーバス
 伝統的なジェッソの下地に新素材のアクリル絵具マグナを融合
 
◯ラリー・ブーンズ
 絵具が乾く過程で生じるひび割れ、絵具を投げつけてできる飛沫や滴り、あるいは、異物を貼り付ける制作
 
 
3 色から光へ
 
◯ジュールズ・オリツキー
 様々な技法と道具を駆使
 絵画における色彩とは、画面に置かれた絵具そのものである
 →絵具を塗るという行為の可能性
  色から光へ、作品を照らし出す外的な光を意識した作品
 
 
 以上、会場内解説をメモ書きしたものを落としたが、何を言っているのか分からない。
 
 
 そんな私だが、大画面揃いのカンヴァスからカンヴァスへ、我流&ぎこちないながらも、相応に楽しく、色の海を泳ぐ(というより、水遊び程度)。
 
 
 私的に楽しんだのは、日常生活で目にとまった形状から着想したという、ジャック・ブッシュの4点。
 作品に描かれた形状が、何から着想されたのか当てる遊び。
 作品名を答えとみなす(本当に正解なのかは疑義が残るが)。
 私の成績は2勝2敗、高い勝率ではないか!
 
 
 会場最後には、作家9名の言葉が紹介される。
 「ステイニング技法」のモーリス・ルイスの言葉が印象に残る。
 
 再三、苦情を言うのは気が引けますが[・・・]、 
 絵具の色は出来たてのようにそれぞれ仕上げるよう確認してもらえないでしょうか?[・・・]  
 もう一点重要なことで以前から不満だったのが、別の色を製造するときに、機械がほぼ掃除されていないのではないかということです。
 
 もっばら色彩に拘る作家としては確かに重要問題。
 絵具メーカーへの特注品に対するクレームなのだろうか。
 
 
 本展は川村記念美術館限りの開催。
 同美術館は、7/1より事前予約制を解除している。


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